この世界は間違えているのか?

瀬名秀明ロボット学論集

瀬名秀明ロボット学論集

 めちゃくちゃおもしろい。瀬名さんのフィクション、ノンフィクションを合わせても最高傑作なのではないだろうか。書かれている内容はぼくがリアルタイムで考えていることとリンクしていくのはものすごい快感。いやあ、瀬名秀明、ただものじゃねえ。

 ぼくがいまリアルタイムで考えている問題というのは、端的にいうと、「ひとは死なないほうがいいの?」という問題なんですよね。「この世に悲劇はないほうがいいの?」と言い換えてもいい。

 これを「Something Orange」で過去に扱ってきたフィクションにあてはめると、たとえば『AIR』の観鈴ちんは死なないほうがいいの?とか、『SWAN SONG』は欝エンドなの?とか、『まどか☆マギカ』の問題は未解決なの?とか、『ナウシカ』の人類は亡びちゃうけどあれバッドエンドだよね?とか、そういう疑問になっていきます。

 ぼくはこれらの疑問に対するアンサーを探し求めているわけです。これらの疑問すべてに対して、ぼくは「そうじゃないよ!」と答えたいのだけれど、でもそれは非常に難しいことでもある。

 たとえば「ナウシカ」で研究すると、「『風の谷のナウシカ』批判」と題する文章が二番目に見つかります。そこでは「ナウシカの決断は臆病な決断だ」「清濁併せ呑むとかいっていないで清をこそ重視するべきだ」と『ナウシカ』が批判されています。

 この批判にぼくは納得できないものを感じるのだけれど、どう反論したらいいのか、うまく論理を組み立てられない。これはわりと現代倫理学の最先端でも議論されている問題と絡んでいるので、ぼくなんかにそう簡単にアンサーが出せるはずがないといえばそうなのだが。

 それはけっきょく、「この世界は間違えているのか?」「間違えているとしたら、その間違いは正すべきなのか?」という問題だと思うのだが――まあ、力及ばずながら考えてみるので、同人誌を読んでください。お願いします。