『神のみ』のハクアが可愛すぎる、という話。

 『神のみぞ知るセカイ』第12巻。ここらへんまで来るとさすがに可愛い女の子のアイディアも尽きてきたかな、という印象がなくもないわけですが、話はまだまだ続きます。というか、この巻のクライマックスで物語は急転直下し、一気に新しいエピソードへ入っていくんですね。

 連載でこの話を読んだときは興奮しました。ひとつ『神のみ』だけに限らず、このような長大な物語というものは構造的に「停滞」と「進捗」を繰り返していくものなのかもしれないけれど、まあ、読者としてはやっぱり進捗してもらったほうが嬉しいので、このエピソードには一気に話が進んだ!というカタルシスがありましたね。じっさいにはそのあといまひとつドラスティックに状況は変わらないわけなのですが……。

 余談ですが、この巻の表紙はハクア。しかし、彼女はこの巻には全く出てきません。次巻以降は活躍するんですけれどね。そんな彼女をわざわざ表紙に持ってくるあたり、作者のハクアへの愛情が感じ取れるようで嬉しいです。

 若木さんはキャラクターを使い捨てにしないひとだなあ。ふつうだったらここまで格が下がったキャラクターは二度と活躍できないものだと思うんだけれど。

 いまではもうハクアは桂馬に対してデレデレ状態であるわけで、ふつうに考えたらもう「攻略済み」のキャラクターなんですよね。そういう意味では既に退場していても全くおかしくない。それなのにこの漫画では丁寧な演出で見せる、魅せる。良いことです。偉いことです。

 いや、ほんと、キャラクターに適切な愛情をもって描いてくれる作家さんは貴重です。愛情が行きすぎると過剰な描写で物語を停滞させることになってしまったりするわけで、なかなか適度な愛情をもって描くことはむずかしい。

 『おお振り』なんかは愛情がありすぎるパターンじゃないかなあ、と思うのですが、まあ、これは一読者の妄想。じっさいのところはわからない。もちろん、全くキャラクターに愛情がない作家というのもどうかと思います。何度もいうようだけれど、『バクマン。』の中井さんの処遇とかね……。

 あれはないよな、と思うんだけれど、一般読者はどう思っているんだろう。ヒロインたちも魅力ないよなあ、あの漫画。『バクマン。』には小畑デザインの美女、美少女が何人も出てくるわけですが、ぼくは全く魅力を感じません。

 何だろうな、人間らしく見えないんですよね。ただ顔かたちが可愛らしいだけじゃないかと。作者が愛情をもって描いているとはどうしても思えない。それが大場つぐみさんの才能なんだと思うのですが。キャラクターを限りなく突き放せるという異能。

 くりかえすようだけれど、そういうひとじゃないと『DEATH NOTE』は書けなかったのかも知れない。でもぼくはやっぱり愛情が感じ取れる物語のほうが好きかなあ。ええ、ええ、萌えオタですから。なんだろ、とにかくハクアが大好きだ、というだけの記事でしたまる