『クリエイティヴ脚本術』。

クリエイティヴ脚本術―神話学・心理学的アプローチによる物語創作のメソッド

クリエイティヴ脚本術―神話学・心理学的アプローチによる物語創作のメソッド

 通読し、再読して、ようやく全体像が掴めた。これはおもしろいなあ。学問的に見てどのくらい説得力があるのかはわからないけれど、実作をこころみようとする人間には参考になると思う。Amazonでは実作には役に立たないようなことがいわれているけれど、そうでもないんじゃないか。

 この本が凄いのはは「物語とは何か」という大上段のテーマを扱っているところ。ユングの心理学とジョーゼフ・キャンベルの神話学を下敷きに、物語という不可思議な概念を具体的に解き明かしている。

 その答えを簡単にいってしまうと、物語とはひとの抱える膨大な無意識の表出である、ということになるだろうか。ここでユングが絡んでくるわけです。

 昨日も書いたように必ずしも論理的説得力に富んでいるとはいえないと思うのだが、この際重要なのは実作に示唆を与えてくれること。ま、具体的にこう書けみたいなことが書かれている本じゃないので、そういうものを求めているひとはもの足りないでしょうが、ぼくのような具体的な指南が鼻につく向きにはちょうどいい内容。

 ぼくの書く小説に足りないものは、いやまあ、いっぱいあるが、いちばん足りないのはプロットだと思うんだよね。いままではプロット作りに面白みを感じられなくて、手を抜いていたのです。

 でも、この本を読んで、プロット作りそのものにも興味が出てきたので、そういう意味では読んで良かったと思う。次回作『ラミアシリーズ(2)』はこの本の理論に基づいてプロットを作ってから書こうと思います。

 けっこうオススメ。