『十二月王子』。

 クラーク・アシュトン・スミスを読んだのを契機に、何か耽美な世界に浸りたくなって本棚の奥から取り出した作品。耽美といっても、そこは角川スニーカー文庫だから、それほどディープではないのだが、ぼくはこの小説、かなり好きなのだ。

 この作品、『十二月王子』というタイトルではあるが、一応主人公であるはずの十二月王子その人はあまり活躍しない。主人公は暗弑風という名の暗殺者の少年で、かれと〈帝国〉の紅羅皇女とのラブロマンスがメインになっている。なぜ『十二月王子』というタイトルにしたのかは謎。

 いまさら買って読むひともいないと思うので、あらすじなどをくだくだしく書くことはしない。ひとつ云えるのは、現代のライトノベルではまずありえないだろう小説だということである。まだBL小説とライトノベルが分離しきっていない時代の作品で、BLっぽい描写もそこここにある。

 で、ぼくはヒロインの紅羅皇女が好きでねえ(笑)。わずか14歳の少女でありながら、その性、驕慢にして酷薄、優れた支配者としての資質と、わがままな子どものような素顔を併せもつ娘。キャラクターデザインも含めて、何もかもがもうぼく好み。ぼくはとことんアクティヴな女の子が好きなんだよなあ。

 それだけです。