『BREAK/THROUGH』のポエム。


 さて、そういうわけで、インフルエンザにかかり布団に括りつけで暇なので、『BREAK/THROUGH』の解説の続きを書きつらねていきたいと思います。

 まあ、上記のような理由で主観のかたまりともいうべき内容の『BREAK/THROUGH』であるわけですが、そのぶんテンションは高いです。

 ぼくは長年、「ロジックで文章を書いている」「そのロジックさえ学べば、だれでも書ける」といい続けてきたのですが、今回ばかりは自説を撤回する必要を感じました。あ、こりゃ書けないわ、と。

 それがいちばんよくわかるのが、全編のクライマックスである第十章です。その冒頭。

 それは苛烈な宿命と高貴な抵抗の物語、暗黒の現実を前になお膝を折ることを拒み、血が白雪を紅く染め上げる戦場でなお気高く生き抜いた若者たちの賛歌――『SWAN SONG』。

 複雑な構文だけれど、まあ、このくらいは、書けないことはないと思う。でも、ラスト近くの一文。

 いつか遠い日、生の彼方、現実と非現実が折り重なり溶け合ったふしぎの世界で逢える時が来たなら、わたしはかれらに花の勲章を贈るだろう。

 これはもう、意味がわからん(笑)。自分でも何でこんな言葉が飛び出してくるのかよくわからない文章ですね。「いつか遠い日」はわかる。「生の彼方」というのは、つまり、死後ということですよね。ようするに「いつか死んでしまったらそのときは」といっている。ここまではわかる。

 でも、そのあとの「現実と非現実が折り重なり溶け合ったふしぎの世界」って何だ(笑)。天国か。妖精郷か。もう言葉のハッタリだけで読ませている文章ですねえ。

 で、「わたしはかれらに花の勲章を贈るだろう」。この「花の勲章」という表現もわかるようなわからないようなシロモノですが、これはまあ、たしかに「花の勲章」でなければならない。これが「黄金の勲章」だったらニュアンスが違う。わかってもらえるでしょうか。

 まあ、超ポエム、何ともはにゃーんな一文であることよ。こういうのをクライマックスに持ってくるあたりにこの本の本質があります。ポエムな文章がお好きな方のみ買ってください。そうじゃない方は買わなくていいと思います。こんなもん。