東アジアの歴史ドラマがおもしろい。


 いま、韓流時代劇ドラマ『風の絵師』をレンタルしてきて観ています。同じく韓国で制作された『イ・サン』に嵌ったものの、週2話の放送を物足りなく感じはじめ、何かもうひとつくらい見てみたいな、と思ってネットで検索、選択した一作。

 『イ・サン』というのがまた、めちゃくちゃ出来がいいドラマなのですが――この作品については、また別の機会に語り明かしたいと思うので、今回は取り上げずにおきましょう。

風の絵師 DVD-BOX I

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イ・サン DVD-BOX I

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 まだ観はじめたばかりで、いまのところまだ海のものとも山のものともしれないかんじですが、評判はいいので期待しています。

 この作品、『イ・サン』と同じ時代を描いていて、正祖(イ・サン)とかかれの忠臣ホン・グギョンだとか、何人かの登場人物が共通しているようです。ぼくは『イ・サン』におけるホン・グギョンが気に入っているので、『風の絵師』でどう描かれているのか気になるところ。

 ホン・グギョンそのひとを主人公にした作品も何作もあるようで、この時代は朝鮮半島の長い歴史のなかでも、時代劇的に注目を集めているのでしょう。『正祖暗殺ミステリー8日』なんて作品もありますね。

正祖暗殺ミステリー 8日 [DVD]

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 ちなみにいま『韓国時代劇カタログ』という本が手もとにあるのですが、ここでは『不滅の李舜臣』『女人天下』『太祖王建』の散策が「3大人気時代劇」として取り上げられています。

韓国時代劇カタログ―全87作品 (Gakken Mook)

韓国時代劇カタログ―全87作品 (Gakken Mook)

 このうち李舜臣という人物にかんしてはぼくでも多少の知識があります。というのも、この人、豊臣秀吉朝鮮出兵の折、朝鮮側を率いて侵略軍を撃退した武将なんですね。文字通りの救国の英雄であるうえ、最後には戦死したその悲劇性も相まって、韓国では非常に人気がある英雄なのだとか。

 ちなみにこのとき、日本を裏切って配下の兵たちごと朝鮮に寝返った武将がいるということを、四方田犬彦さんの本で読んだことがありますが、あれは何の本だったか……。何かと記憶が曖昧なお年頃。

 この李舜臣が韓国最大の英雄だとすると、秀吉は韓国最大の悪役ということになるのかな、なんて思いますが、どうなんでしょうね。『不滅の李舜臣』を見てみたいのは山々ながら、何しろ韓国ドラマは長い、日本の大河ドラマどころではない長さ、なかなか気楽に手を出せるものではありません。うーん、気になる。

 まあ、原作の小説も翻訳されているので、そちらを読んでみればいいのかもしれないけれど。この原作小説『孤将』を訳したのは拉致被害者として有名な蓮池薫さんだったりして、人間の運命というものについて考えさせられます。

孤将 (新潮文庫)

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 で、まあ、この秀吉の朝鮮出兵は、たしかペトロニウスさんがどこかに書いていたと思うのですが、いわゆる明末清初、大明帝国滅亡のドラマへと間接的に繋がっていきます。

 ここらへんのことは金庸の『碧血剣』だとか、皇なつきさんの『黄土の旗幟のもと』を読むと詳しい*1司馬遼太郎『韃靼疾風録』という作品もありますね。あれもやたらおもしろかった。

黄土の旗幟のもと (潮漫画文庫)

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 そういえばやはりこの時代を舞台にした近松の歌舞伎(もとは人形浄瑠璃だが)『国性爺合戦』が今度通して上演されるというニュースが新聞に載っていました。ここらへん、色々と繋がっていて、歴史に知識がないものとしては大変おもしろいですね。

 フィクションを見て歴史をわかったつもりになるんじゃねえ、という批判も当然あるとは思うけれど、でもやっぱり何事もきっかけがあって初めてそこに入っていけるわけだからなあ。そこは赦してほしいところ。

 ま、とりあえず『イ・サン』と『風の絵師』を見てみますが、今後ともアジアの歴史のことは気にしていきたいと思います。韓国語か中国語が読めればいちばん良いのだろうけれど――うーん、一念発起してみるかな。ま、続かないだろうけれど。

*1:皇さんの作品には朝鮮半島を描いたものもあるのですが、それは韓国人のひとが「どうやってこんなことを調べたんだ!」と驚くほど精緻に考証されているそうです。日本の誇りですなあ。