主人公より脇役の女の子が格好いい少年漫画はありか?


 うーん。どうなんだろ。

 さて、LDさんが「今週の一番」として大高忍の漫画『マギ』を取り上げています。で、この作品についてはぼくもいいたいことが色々あるので、ちょっと書いてみようと思います。

 『マギ』は何百年かまえの地球によく似た異世界を舞台にしたファンタジー冒険漫画で、いまのところ、主人公はふたり、ふしぎな力を持つ少年アラジンと、かれの友人でバルバット王国の廃王子であるアリババです。

 ま、正主人公はアラジンなのかもしれないけれど、アリババも少なくとも副主人公とは呼べる存在であることは間違いないでしょう。最近はそのアリババがバルバットの国民を救うため、兄王が支配する王宮へ乗り込んでゆくという展開になっています。

 で、これがね、個人的にはいまひとつこう、盛り上がりに欠ける気がするんですよね。LDさんが書いているとおり、アリババの危機に颯爽と駆けつけ、徒手で兵を蹴散らす少女モルジアナは格好いい。たしかに格好いいのだけれど、肝心のアリババがあまり格好良くない(汗)。

 いや、モルジアナが主人公の漫画ならこれでいいんだけれど、『マギ』はそうじゃないわけで、やっぱり主人公よりも脇役の女の子のほうが格好いい少年漫画ってどうなんだ、と思わずにいられないんですね。

 LDさんはアリババとモルジアナを『三国志演義』の劉備関羽に例えていますが、『三国志』の場合、大抵の場合、劉備は人徳担当、関羽は武勇担当、と役割が分かれている(まあ、ひと口に『三国志』といっても色々あるわけですが)。

 だからこそ、関羽がいくら勁くても劉備と存在感がバッティングしないんだけれど、アリババくんのばあいはモルジアナが来るまで必死にたたかっていたわけですからね。モルジアナとキャラがぶつかっちゃって、しかも負けていると思うんですよ(汗汗)。

 これだと、モルジアナが主役の漫画みたいに見えてしまう。しかもぼくがアリババに期待しているのはまさに劉備たることであって、べつに個人的武勇で活躍することじゃないんだよね。何かこう、中途半端にアクションする必要があったのかな、と疑問に思えてきます。

 このアリババという少年、アラジンやモルジアナから過剰なまでの信頼を受けているのですが、正直、そこまでの器量があるようには見えません。たしかに善良な若者ではあるんだけれど、それほど才幹を感じ無いんですよね。

 そもそもあらゆる政治的判断を放り出して、ひとりで王宮に突っ込んでいくという選択は「王」のものじゃないですよね。

 このアリババの魅力の薄さが『マギ』のボトルネックになっているように思えてなりません。いや、ぼくは好きですよ、アリババくん。でも、こう、いまひとつ読者の期待に応えてくれないキャラクターなんだよね。そこが辛い。

 ぼくが『マギ』に期待したのは、初めに過剰な期待を受けてしまった人間が、その期待に合うよう自分を鍛えあげていく、という展開なのだけれど、そういう話にならないのかなあ。

 どうも文句ばかりになってしまいましたが、まだまだ『マギ』には期待しています。今週あたり、アリババくんの王の器が目覚めるような話になっていてくれると、ぼくは非常にうれしいのですが――さて、どうなるやら。

 さて、今週の『サンデー』買ってこようっと。

マギ 1 (少年サンデーコミックス)

マギ 1 (少年サンデーコミックス)