メールへのお返事。

 「WA2」の感想が面白かったのでメールさせていただきます。

 おそらく丸戸史明さんはすごく誠実な人なんだと思うんですよね。彼が創るシナリオは、全て起承転結がハッキリしてて、ラストは大団円って感じです。そして、それらの創作物は楽しむ側の人間にとって「優しく」できています。その安定感こそが彼が支持される理由の大きなひとつであるし、反対に「ご都合主義」だといって批判される理由でもあります。(ちなみに、丸戸さんは仕事に対しても真摯な方であるらしく、WA2は序章が発売される前に全てのシナリオを書き終えていたらしいです。)

 で、そんな彼のシナリオの中で「パルフェ」の夏海里伽子ルートだけは毛色が違うと感じられます。それは、彼女のシナリオだけが、プレイヤーに対して「攻撃性」を持ってるからなのだと思います。ゲーム序盤から中盤にかけて、彼女は主人公のクールな友人として登場し、主人公に対して数々の助言をくれたりします。過去に主人公とちょっとだけ因縁のあった、でも良き友人である女性。しかし、それは彼女の仮の姿でしかなかったのです。

 彼女のシナリオに関して詳しく述べることはできませんが、とにかくプレイヤーにとって「痛い」お話だと思います。他のヒロインのシナリオでは、主人公は、とにかく誠実でかっこいい人間なのですが、その「誠実さ」さえ彼女にとっては許せるものではなかったはずです。そして、彼女の個別ルートに入ってからは、ほとんど反則スレスレの手でもって、丸戸さんはプレイヤーを追い詰めていきます。彼女が主人公に対してぶつけてくる感情の塊はプレイしている人間に対しても衝撃を与えざるを得ないものでしょう。パルフェの感想を見ると、「里伽子ルートは最後にプレイするのをオススメする」といった文章をよく見かけるのですが、これは彼女のシナリオが、いかにプレイヤーに対してダメージを与えているかを表してる、と考えられます。

 教科書どおりの作品もいいけど、そこから一つ飛びぬけた作品も見たい。それなら、里伽子のシナリオは教科書の「応用」として素晴らしいものであるとオススメできます。ついでに、「パルフェ」は共通ルートがそれほど長くなく忙しい時でもプレイしやすい、ていうのもオススメしやすい理由ですね。

 皆が口をそろえて「『パルフェ』はおもしろい」というので、『パルフェ』始めることにしました。で、皆が口をそろえて「里伽子は最後にしろ」というので、里伽子は最後にすることにしました。

 大概の場合、皆が口をそろえて褒めているものはそれだけの価値があるので、『パルフェ』もおもしろいのでしょう。でも、わかっていてもモチベーションが高まらないとプレイできないんですよねえ。いやはや。