エロそうでエロくない少しエロいアニメを見たい。


 こんなコメントをいただいた。

私も好きな物・好きという感情に貴賎はないと思いますが、何故”アニメ”というものが世間的に低く見られ、蔑視の対象になるかというと、その大部分が女性の性の特化・女性への願望の押し付けが多々見られるからじゃないでしょうか。

世間的に価値が認められるものの多くは、男女ともに楽しめるもの・性への表現が露骨でないもの、です。

最近のアニメは、世間的に高評価を得るには性への表現に特化しすぎた気がします。世間的に低位置にあるものを世間が避ける(無視するか、そのブログ主のように差別的発言をするかは差があるとして)のは当然です。これはアニメを問わず全てのことに共通です。

アニメ趣味が広く認められるためには、性表現を抑えて昔のような男女子供ともに楽しめるアニメを量産することが肝心じゃないでしょうかね。

そうすれば、アニメ漫画の持つそれらを除いても尚残る純粋なエンターテイメント性がちゃんと評価されると思います。

 一理あるよなあ。

 べつだん、すぐさま「萌えアニメはダメ」とか「美少女アニメをなくせ」みたいな頭の悪い結論に飛びつくつもりはないけれど、たしかに「女性の性の特化・女性への願望の押し付けが多々見られる」作品は多いだろう。

 年中「ぼくの考えたいちばん可愛い女の子コンテスト」をやっているようなもので、それはそれで、百花繚乱、ある種の見ごたえはあるんだけれど、何というか、そろそろ辛い。「男女子供ともに楽しめるアニメ」、ほしいですね。

 ただ、あえて異論を述べるなら、ぼくの場合、子供は楽しめなくていいと思う(笑)。家族団欒で見てもおかしくない大人向けのアニメーションがほしいのですね。

 ただ、まあ、全く色気のない無難なだけのアニメを見たいかというとそうでもないわけで、アニメに特有の「とんがり」「俗悪さ」「お行儀の悪さ」はどこかにのこしておいてほしいんですよ。

 何というかね、親といっしょに見れないわけではないんだけれど、時々ひやっとする、そのくらいの塩梅がいいですね。たとえば、『ルパン三世』のシリーズはそこらへんに目標があると思うんだけれど、あまりにシナリオのクオリティが……。いや、最近見ていないので何ともいえないんだけれど。

 そういう意味では、宮崎駿というひとはほんとに偉いなあ。しばらくまえに「たけくまメモ」でなぜ宮崎アニメばかりがビッグヒットしたのか、という記事がありましたが、たぶんその秘密はここらへんにあるんじゃないかと。性描写に対するストイックさ。

 もちろん、「ストイックに見えるからこそその奥に隠されたものの存在が匂う」ということもたしかなのだけれど、とりあえず画面の表面からは性的なものは追放されている。だからこそ、国民的アニメになれたわけだ。

 実は『東のエデン』にはそういう路線を期待していた。神山監督はいう。

攻殻機動隊シリーズ以降、アニメはお茶の間で見るものではないというファン層が増えていますが、この現状を新作で変えてみたい。アニメファンだけでなく、もう一度幅広い層にテレビでアニメを見てもらえるのか、挑戦してみたいんです」と神山監督は意欲を見せていた。

 「お茶の間で見る」ハイレベルの大人向けエンターテインメントアニメーション。『東のエデン』は半分くらいその路線を全うしたとは思う。ただ、そのぶん、ターゲットがはっきりしない作品になってしまった感はある。やっぱり、目の前にたしかにあるターゲットを狙い撃ちにしたほうが商業的にはかたいんだろうなあ、とも思う。

 で、そこで挙げたいのが『サマーウォーズ』。美少女アニメといえばいえなくもない作品だろうが、「女性の性の特化・女性への願望の押し付け」は、皆無ではないにしても、あまり見られないと思う。

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 その結果どうなったかというと「夏希ってヒロインらしくないよね」などといわれることになったわけだけれど、あのくらいのバランスがぼくには心地いい。極端な設定の萌えアニメも好きだけれど、いいかげんもう萌え飽きた。

 安西先生、エロそうでエロくない少しエロいアニメが見たいです。