京都アニメーション大賞のここが辛い。


 既にご存知の方も多かろうと思うが、ぼくらの京アニが「京都アニメーション大賞」なる新人賞を開催している。

このたび京都アニメーションでは、幅広い層へ向けて発信するエンターテインメントな作品を広く募集いたします。ジャンルはSF、アクション、ファンタジー、学園モノなどなど、一切問いません。「自分はこの作品で勝負したい」という創作意欲に溢れた方、共に次の時代のエンターテインメントを作っていきましょう!

 という理念で、小説部門、漫画部門、シナリオ部門の三部門で作品を募集しているようだ。で、その内容がきびしい。というか、辛い。少なくともぼくはこの賞に送る気にはなれない。

 はてなブックマークでは賞金が三○万円と安いことが話題になっているが、最大の問題は発表媒体だろう。

当社で配信するWEBマガジン上で掲載します。

 ということなので、書籍化される見込みはないようなのである。また、この賞の規約にはこうある。

受賞された場合、作品の著作権(出版権、映像化権、ゲーム化権ほか作品から派生する副次的な商品化権)は株式会社京都アニメーションに帰属します。

※商品化した場合、規定のロイヤリティをお支払いします。

「商品化」とは、当社がその作品を使用して対価を得ることを指します。宣伝や無料で公開する場合は該当いたしません。

 だから、予定通りWEBマガジンで公開されても、それだけでは、作者には一銭もお金は入ってこないのではないかと思うのだ。

 京アニは当然、ほかに発表媒体をもたないから、この賞を受賞しても、賞金以外の収入は一切なし、ということになる可能性は高い気がする。これは辛い。

 同様の趣旨の規約を儲けている賞はほかにも存在するが、賞金が比較的高額だったり、少なくとも印税が入る見込みはあったりするので、まだ納得はいく。

 京都アニメーション大賞の場合、ほとんどここに送るメリットは存在しないんじゃないかな。

 あえていうなら京アニの手でハイクオリティのアニメになる可能性がある、ということだろうけれど、そんなかぼそい希望のために長編を一本仕上げられるひとがどれだけいるだろう。

 何というか、色々な意味で辛い賞なのであった。