何が優れた作品か?

 「何ひとつ心にのこらない良作、『BLOODY MONDAY』」拝見しました。
 この作品は未読なのですが、海燕さんのレビューを読んでいて、私は「20世紀少年」を思い出しました。
 あれもスリリングな展開続きではありますが、後に残るものが少なさそう、という点では上記の作品と似ていますね。
 掲載当時には、それこそ夢に出てくるほどハマった「20世紀少年」ですが、完結後数年した今改めてみると、結構ツッコミ所が多い気がします。
 ともだちに関する謎や、それに振り回される主人公達の行動を除いてみると、個々の人物の詳しい心理描写はほとんど存在しませんし。
 こういう手法もありだとはわかっていますし、そういった作品も大好きなのですが、「謎をちりばめて、スリリングな展開にすればみんな買ってくれるだろう」という考えだけで作品を発表されるのは、読者としてあまりいい気分はしません。
 こういった作品をつくるクリエイターの全員が狙ってやってるわけではないとは思いますけど。

 微妙なところですね。つまり、どういう作品を「良い作品」と考えるかという問題だと思うんですよ。

 うちの父はよく映画を見るんですが、ぼくから見ると他愛ないようなアクション映画、サスペンス映画しか見に行きません。

 それはべつに父がぼくより知的に劣っているわけじゃなく、それだけのものしか映画に求めていないんですね。ただ人生からきっちり2時間を切り取ってもらえればそれでいい、という考え方なんです。

 そういう人は作品に複雑なあと味を求めたりしません。高度な思索性はむしろ邪魔になることもあるのです。そういう人にとっては、『BLOODY MONDAY』のような作品こそ傑作ということになるでしょう。

 でも、ぼくなどはやはりもっとあとに何かのこるものを、と求めてしまう。そういう意味で、『BLLODY MONDAY』は全く物足りない作品でした。人それぞれ、ということでしょうか。