ひとつの世界が。


 じんのすけさんからのメール。

 本日の夕刊で知りました。言葉がありません。

 信じられなくてネットを彷徨いましたが

 神楽坂倶楽部はみつかりませんでした。

 グインの小部屋もつながりませんでした。

 でも、誰かの言葉を聞きたくてここにたどりつきました。

 私は一時期グインの小部屋を頻繁にロムしていました。

 でも、皆さん詳しい方ばかりでなんとなく気後れして見ているだけでした。

 読んでいるだけでとても楽しかった。

 海燕さんのコメントがとても好きでした。

 だから、ここで読めてよかったです。

 喪失感に打ちのめされている人がたくさんいる、

 私だけじゃない。

 彼らの子供たちの話まで読みたかったです。

 支離滅裂ですね。いきなりすみません。

 またおじゃまします。

 海燕さんもどうか、書き続けてください。

 ありがとうございます。

 ぼくもまだ呆然としています。上の追悼文は、いかにも混乱していて読みにくいものですが、そのままにしておこうと思います。

 それにしても、もうグインやイシュトヴァーンたちの新しい活躍を読むことはできないのだと思うと、喪失のあまりの大きさに自失してしまいます。ひとりの個人が死んだのじゃない、ひとつの世界が失われたのですね。

 ぼくの場合、初めて読んだ『グイン・サーガ』は、外伝『ヴァラキアの少年』でした。そのあと、この気の良い不良少年が、どうして伝説の狂王となるのかと、夢中で本編を追いかけていきました。

 しかし、ランドックの秘密が明かされることはもうありません。アウラの真実が語られることも。星船と古代機械の謎が解かれる日は、もう永遠に来ません。

 それでも、ぼくは、これからもくり返し『グイン・サーガ』を紐解くことでしょう。ページさえ開けば、彼らはあいかわらずの姿を見せてくれるはずです。

 虎は死して皮を残し、作家は死して本を遺す。ヤーンなるかな、ヤーンの定めなるかな。これからも、ぼくは書きつづけます。おそらくはぼく自身が召される、その日まで。

 栗本さんが遺してくれたものの万分の一でも、次の世代に伝えられたら良いのですが。