男女が同じコンテンツを楽しむ時代。

俺はキモいし、どうしようもない男だが、腐女子の、特ににわか腐女子が嫌いだ。

(中略)

奴らが好きなのはキャラクターであって、作品でもストーリーでもない。

ホモホモしいキャラクターと関係性があればそれでいいのだ。

その辺は萌えブームのオタクどもも同罪だ。

作品や作った人へのリスペクトが欠片もなく、やれ作画が悪いだとか、絵が雑だとか、何だとか言いやがる。

本当に奴らにはキャラクターだけじゃなくて作品全体を見てほしい。

そして、作画とか絵の質ではなく、ストーリーをしっかり考えてほしい。

下半身でなく、脳で作品を知ってほしい。

 典型的な「キャラ萌え害悪論」だなあ。

 ぼくはこの種の意見を見るたびに思うんだけれど、「奴らが好きなのはキャラクターであって、作品でもストーリーでもない」「ホモホモしいキャラクターと関係性があればそれでいいのだ」と考えるその根拠は何なのだろう。

 多くの腐女子があるキャラクターなりカップリングなりに入れ込んで作品を楽しんでいることはたしかだろう。しかし、だからといって彼女たちが物語を軽視していると見る理由があるだろうか。

 「キャラクターを好き」であることと、「物語を好き」であることはべつに排他的な関係にあるわけじゃない。「キャラクターを好き」でありながら「物語を好き」であることは十分に可能だと思う。じっさい、ぼくはそうやって作品を楽しんでいる。

 そうはいっても、現実に市場は腐女子向け向けの駄作で満ちているじゃないか、という意見もあるだろう。しかし、それこそ現実を見ていない意見ではないだろうか。

 だって、アニメでも漫画でもライトノベルでも、現実に作品は劣化していないじゃん。おもしろい作品はいくらでもあるじゃん。むしろ昔より増えているくらいじゃん。ぼくは腐女子のせいで状況が悪化したとは全く思いませんね。

 もっとも、いままで男性中心だった市場に、急速に女性が参入した結果、作品が変質したことはたしかだとは思う。『ネギま!』の似顔絵コーナーの投稿者割合は、6割以上、ということは約3分の2が女性読者からだそうだ。

オマケページの似顔絵コーナーですが、驚いたことに投稿の60%以上が女の子からで、しかも低年齢化が急速に進んでいます。
昔、ラブひなの頃は、お葉書の90%以上が男性からだったのですが。(^^;)
まあ、男性はあまり似顔絵なんて描きませんよね。筆まめじゃないし。
しかし、新陳代謝の状況を垣間見るデータの一端だとは思います。

アニメ雑誌も今、読者の過半数は女性らしいですよ。ああ、なるほどね・・・
ガンダムもギアスもそんな感じだし。富野信者としては寂しいですが。
そういや実写も、イケメン男優がいっぱい出るのが多いみたい。
マガジンがジャンプに勝てない理由も半分はコレですよね。もう一つは年齢層。

 読者層の変質は、必然的にコンテンツを変化させる。女性読者の増加は間違いなくいまの少年漫画を変えているだろう。そういう状況が腐女子がしばしば敵視される理由の一端にある。

 しかし、だからといって、現状を単純に質的堕落と捉える必要はないように思う。むしろ、女性読者が増えたことによって新たな表現の可能性が拓けた、あるいは拓けていく、ということだって考えられるわけで、ぼくとしてはポジティヴに捉えたい。

 とはいえ、男女が同じコンテンツを別様に楽しむ時代には、この種のあつれきが絶えないのだろうな、とは思う。ひとは自分の見方こそが正しく、王道なのだと考えがちなものだから。

 しかし、じっさいに時代はそういう方向へ進んでいるわけだし、「最近の腐女子カップリングのことしか頭にないから」などと、偏見にすがっていても意味はないと思う。

 腐女子だって、少なくとも男性オタクがもっているのと同程度の鑑賞能力はもっていると考えるべきだ。ただ、それとパラレルにカップリング萌えしているだけだろう。

 以前にも書いたが、ぼくは作品市場が「腐女子向け」「萌えオタ向け」で一色に染め上げられることを望まない。しかし、現状はそうなっていないし、そうである以上、過剰に心配する必要もないのではないか。

 いい時代だと思いますよ。いまは。