『Landreaall』が深すぎる。


 「Landreaallの読みにくさについて」

 かんでさんによる「『Landreaall』の読みにくさ」の分析。要点をまとめると、「初期の絵柄がいまひとつ」「情報の出し方に不満がのこる」「イオンが幼すぎる」というところでしょうか。絵柄は好みの問題だと思いますが、ほかは納得がいく話です。

 『Landreaall』が「未来の名作」ともいうべき作品であることは間違いないと思いますが、もう一段階メジャーになるにはやはりちょっとわかりにくいかな、とぼくも思う。

 情報の出し方という話で、この漫画を読んでいて感じるのは、台詞が非常に意味深だということです。ひとつの台詞に複数の意味が込められていたり、作中人物にしか意味がわからない会話が出てきたりする。

 一番「すごいな」と思ったのは、第10巻でDXが神剣「レッセ・フェール」についてウールン姫に質問する場面。

「レッセ・フェールには意思がありますか?」
「それほどのものはない 万物は「須(すべから)し」」
「気配(パルス)?」
「然り」

 ……わからん(笑)。全然意味がわからないよ、この会話! 「気配(パルス)」って何なんだよ! でも、DXとウールンはわかっているんですね。

 この作品には、この種の台詞が頻出するので、良く読んでいないと深いところまで意味が読み取れません。

 第10巻に登場するDXとアンちゃんのやりとりを、ペトロニウスさんがここで延々と解説していますが、普通のひとはこんなことわからない(笑)。まあ、だからこそ、読み返すたびに発見があるともいえるわけですが。

 たとえば、同じく第10巻で、イオンがDXについて、「お兄はカンカンよ すっ・ごく・怒ってたわ」という場面があります。

 初めて読んだときは気づかなかったんですが、DXとイオンが話している場面を見るかぎり、DXが怒っている場面はないんですね。

 これ、たぶん、DXは本当は怒っていて、イオンにだけはわかる、という描写なんだと思います。ほかのひとにはただぼんやりしているように見える、という。この作品はこの種の「気づき」に満ちている。

 それから、イオンが幼すぎるというのは、これはもう、おがきさんの趣味の問題としかいいようがないのではないでしょうか。

 DXとイオンは非対称的な関係です。DXはあくまでも「お兄ちゃん」であって、精神的にも能力的にもイオンより上位に立っています。

 ラジオでも話しましたが、非常に象徴的なのが第10巻から第13巻にかけてDXとイオンが離れ離れになる辺りの描写です。

 このとき、イオンは何かとDXのことを思い浮かべますが、DXは一度もイオンのことを考えません。イオンが一方的にDXに依存していることがわかります。

 DXにとって、六甲は対等の友人ですが(ただし、六甲のほうは友人とは思っていない)、イオンはあくまでも守るべき「妹」なんですね。

 こういう関係をよしとするかどうかはひとそれぞれでしょうが、おがきさんはこういうのが好きなんだと思う。これはもう理屈じゃない、趣味の問題ですね。同人誌でも兄妹もの描いていたらしいしなあ。

 そういうわけで、『Landreaall』はわかりづらいところがありながらも、非常に奥深い作品なので、皆さん、読んでください。おしまい。

Landreaall 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

Landreaall 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)