最近読んだ本。

カミュ『よそもの』きみの友だち (理想の教室)

カミュ『よそもの』きみの友だち (理想の教室)

 カミュ『よそもの』の初心者にもわかる易しい解説書。

 従来『異邦人』というタイトルで知られてきた作品であるが、ここではあえて『よそもの』というタイトルに訳しなおして別の見方からの読解を試みている。

 で、これがおもしろい。不条理文学として有名な作品であるが、これを読むかぎりとくに不条理という印象ではない。『異邦人』を読んでみようかという気になる。

ポストコロニアリズム (岩波新書)

ポストコロニアリズム (岩波新書)

ポストコロニアリズム (〈1冊でわかる〉シリーズ)

ポストコロニアリズム (〈1冊でわかる〉シリーズ)

 現代思想の巨人、エドワード・W・サイードはその『異邦人』を「ポストコロニアリズム」の視点から批判していたらしい。で、そのポストコロニアリズムの解説書2冊。

 ポストコロニアリズムとは、現在までの社会や歴史、文学をいわゆる「第三世界」の観点から捉えなおそうとする学問(で、いいのかな?)。

 これまで西洋中心の思想の枠組みのなかでは見えてこなかったものが見えてくるインパクトがあり、非常におもしろい。

 『1冊でわかるポストコロニアリズム』では、現在および過去の「ポスト植民地」の現状を描き、ヨーロッパの〈帝国〉がいかに植民地の富を収奪してきたか熱烈に語る。

 一方、『ポストコロニアリズム』では思想の側に重点を置き、ファノン、サイードスピヴァクという三人の思想家の思考の軌跡を追いかけていく。とりあえずこの2冊を読めばこの分野の基礎はわかる、かな。

 もう1冊。

帝国 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

帝国 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

 こちらは植民地ではなく、植民地を含めた〈帝国〉に着目した本である。

 21世紀の今日に至るまで、世界史は様々な帝国の興亡として綴られてきた。ローマ帝国中華帝国イスラム帝国スペイン帝国大英帝国アメリカ帝国……。

 本書ではそれら帝国を「陸の帝国」と「海の帝国」に分けて解説している。『1冊でわかるポストコロニアリズム』と合わせて読むと、バランスが良いかも。