萌えキャラの頭蓋骨はどうなっているのか?


 『攻殻機動隊』の神山健治監督が、どこかのインタビューで云っていました。最近流行っている目の大きいキャラ、あの頭蓋骨はどうなっているんだろう、と。

 たしかにそうです。いまどきのアニメキャラは一般に、目が大きい。どうかすると眼球が顔の半分くらいを占めていることがある。

 しかし、眼球が大きいということは眼底が大きいということでもあり、頭蓋骨のかたちそのものが我われとは異なっているということのはず。そうでなくてはおかしい。

 それでは、そういうキャラの登場する作品で、頭蓋骨が登場するとき、それは変形した形をしているでしょうか?

 まさか、そんなことはないでしょう。じっさいの例は思いつかないけれど、仮にそんなことがあるとしたら、やっぱり普通のかたちの頭蓋骨だと思います。

 矛盾です。生きているあいだは極端に大きい眼底が、頭蓋骨になると小さくなる。そんなことがあっていいものでしょうか。

 仮にここに涼宮ハルヒを捕まえてきて、ずぶっ!とひと刺し、命を絶ってしまうとしましょう。死体はどんどん腐っていき、やがて頭蓋骨が露出します。

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 そのとき、どの段階で、頭蓋骨は変形しはじめるのでしょうか。じっと見ていると、だんだん眼底は小さくなっていき、普通の人間なみになっていくのか。うん、何かがおかしい。

 もちろん、頭蓋骨の眼底もまた、眼球と同じように同じように大きいとすれば矛盾は生じません。しかし、我われはそのような頭蓋骨に違和感を感じないでしょうか。

 たぶん、それはとても人間の頭蓋骨には見えないでしょう。ETか何か、とにかく恐ろしい怪物の骸骨、そう見えるに違いありません。

 しかし、考えてみれば、変形した顔かたちには違和感を感じないのに、変形した頭蓋骨に違和感を感じるということも奇妙な話です。どこかで何かが矛盾している。そう思います。

 もちろんぼくは、すべてのアニメキャラが杓子定規に現実の人間のスタイルをなぞるべきだとは思いません。アニメはアニメ、多少の嘘やごまかしは許されるでしょう。

 ただ、そこに何かしらの歪みが生じていることに対しては自覚的でありたいものです。

 個人の趣味でいうなら、12頭身の美青年とか、4頭身の美少女とか、「かっこよさ」や「かわいさ」を追求する余り、人間ばなれした体型になったデザインにはつよい違和感を感じます。

 最近の樹なつみさんの漫画とか、どんどんキャラの頭身が高くなっていて、ちょっとついて行けなくなりつつある。はやりの絵柄ではあるんだろうけれどね。

 結局、「キャラ」とは、生身の肉体をもった存在というよりは、観念の具現であるわけで、作者が望めば、どこまででも現実の身体から逸脱していく。

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 身体性をそなえたデザインを神聖視するつもりもないけれど、どこかに節度が欲しい。そう思うぼくは保守的なのかな。ぼく的には『コードギアス』辺りがぎりぎり許容範囲。

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