最近、ヤングサンデーがおもしろい。


 いや、雑誌は読んでいないんですが、YS連載の注目作が多いな、と。

 長年、ほかの青年向け週刊誌、『ヤングジャンプ』、『ヤングマガジン』、あるいは『ビッグコミックスピリッツ』などと比べると地味な存在だったYSですが、最近、妙に存在が目立つ。

 ひとつには、『少年サンデー』の主力だった作家たちが次々と移籍して来ているからだろう。

 河合克敏@『帯ギュ』の『とめはねっ!』はマンガセンスあふれる作品だし、まだ単行本化されていないけれど、テロリズムとのたたかいを描く『暁のイージス』も期待をもたせる。

 しかし、いまのぼくの一押しは石渡治『オッズ』。

Odds 1 (ヤングサンデーコミックス)

Odds 1 (ヤングサンデーコミックス)

 交通事故で植物状態に陥った父親を生かしつづけるため、競輪の道にすすむ主人公を描いた競輪漫画。

 競輪があくまでギャンブルであること、多額の金銭がからむ世界であることをしっかりと踏まえた上で、なお、熱い展開を描ききっている。

 無駄なく洗練された描線、緩急をわきまえた展開、と、長年少年漫画の第一線でたたかってきたベテランの力量を思い知らせてくれる。

 とくに奇をてらったところはないのだが、それだからこそ、ストレートな力強さがある。現時点ですでに石渡治最高傑作の予感がする。

 植物状態の人間を生かすためにそこまでお金はいらないだろうという突っ込みもあるようですが、そこらへんはまあ、どうでもいい。それは物語の背景にすぎない。

 年末年始の読書にお奨めです。