王貞治伝説。

王貞治 壮絶なる闘い

王貞治 壮絶なる闘い

 印象的なエピソードをひとつ。

 WBC直前のソフトバンクのキャンプで、王監督は目を真っ赤にし、くしゃみを連発していた。花粉症の症状だ。いつもは薬と注射で抑えているのだが、今年は投薬を避けたため、症状が出たのだという。

 しかし、ドーピング規定があるのは選手だけだろう。監督が薬物検査にひっかかったという話は聞かない。それなのに、なぜ?

 監督いわく、

「選手の中にも花粉症が何人もいるだろう。でも、万が一、ドーピングで引っ掛かってはいけないと、我慢しているんじゃないか。風邪薬でも禁止薬物に入るケースがあるんだからね。選手が我慢しているのだから、監督の俺も我慢するのは当然だろう」

 指導者とは、こういうものだろうか。