著作権侵害は殺人と同じ、わけがない。


 あまりひとの批判ばかりしているとぼくの印象が悪くなるかもしれませんが、さすがにこの記事はないと思ったので言及しておきます。

違法コンテンツがアップロードされた場合、アップロード者、サイト運営者、ダウンロード者の3者全てに対して罰を与え賠償をさせることが最も有効だ。しかし、被害が甚大な場合、それでも賠償しきれないことがある。だから著作権の保護のためには重い刑事罰による抑止力を働かせるしかない。

(中略)

また、依然としてアップロード者のリスクが小さい。アップロード者のリスクは逮捕されることと損害を賠償するはめになることだが、資産がなければ賠償はできない。しかし、アップロードされたデータは無限に拡散する可能性がある。一度アップロードしたらもう取り返しがつかないのだ。

これは殺人と同じだ。一度殺してしまったら取り返しがつかない。加害者が完全に賠償することはできない。死人は生き返らない。

取り返しのつかない犯罪を防ぐにはどうするか。重い刑事罰による抑止力を働かせることだ。

 昔、友達に『ドラクエ』を貸したら、「ぼうけんのしょ」を消されてしまいました。取り返しがつかないことですよね。殺人と同じだから重い刑事罰を課すべきでしょうか? そんなわけはない。

 このひとがどこで間違えているかというと、「同じ」ことと「共通項がある」ことを区別出来ていないところです。

 たしかに「取り返しがつかない」という一点で「殺人」と「著作権侵害」は「同じ」です。つまり、共通項があるといえます。しかし、その一点以外のすべてが違っているわけです。

 その違っているところを無視して、殺人と同じだから重罰に処すべきなんていわれてもね。いや、こんなこと書かなくても、だれにでもわかる理屈だろうけれど。

 権利者の利益を守るために著作権の管理を強化するべき、というところまではまだ理解出来るんだけれど、何がどうしてこんな理屈になってしまったのやら、なぞです。