僕は、一つの信念(ルールその1)として、
相手を攻撃するとき、悪口を言うときは、直接その本人に面と向かってする!
というのをなるべくしたい自分ルールにしています。――「悪口を言うときは、直接その本人に面と向かってする!」ですよね。
こういう話になったときにぼくがまず思い出すのは、『ファイブスター物語』の永野護です。
- 作者: 永野護
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/09/20
- メディア: 大型本
- 購入: 5人 クリック: 105回
- この商品を含むブログ (114件) を見る
ぼくはよく「作家は作品の注釈に過ぎない」とかいうけれど、このひとの場合は作品を離れたところでおもしろい。めちゃくちゃ偉そうなことを平気で言い放つ。
とくに印象深かったのは、『ファイブスター物語アウトライン』に収録されている、ターンAガンダムのデザインにかんする話。
- 作者: 永野護
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/12
- メディア: 大型本
- 購入: 4人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
――デザイン論としてお聞きしたいのですが、ターンAのデザインってどうなんですか?
永野:あっ、カスですよ*1。これはぜひとも書いてほしいんですけど。富野さんになんで誰も何も言わなかったのかなあって。はだかの王様てあるじゃないですか、こどもが王様に裸でおかしいよって話。で、模型業界とかアニメファンで、「あのターンA、よく見ればいいよ」って。よく見ればって、逃げてるだけの話で、絶対的な評価でいえば第一印象で見てみればおかしいだろ、変だろ、あれはガンダムじゃないだろっていうのを、なんで誰も言わなかったのかなって。うわ、皆が何とか弁護しようとしているのに、あなたというひとは! 最悪だ、こいつ、最悪だ。ぼくもそう思うけれどさ。
永野がぼくのような口先だけ偉そうなただの消費者と違うのは、より大きなリスクを背負っていることです。
現役のデザイナがこんな傲慢な発言をすれば、「じゃ、お前はどれだけかっこいいデザインを描けるんだよ?」ということになるに決まっている。そのことがわかっていて、なお、いいたいことはいう。
こういうひとは好きですね。ほんとにただ傲慢なだけかもしれないけれど、ぼくはこの種の傲慢さはきらいじゃない。
もちろん、ただ口先だけならそれだけの男だけれど、このひとの場合、じっさいに天才的才能のもち主だからどうしようもない。
なるべくトラブルを避けて穏便に生きていくことが大人の生き方だと考える人もいるだろうけれど、でも、それだけじゃおもしろくないじゃん、と、ぼくは思う。
やっぱり人生はおもしろいほうがいいよね。
*1:強調筆者