『宙のまにまに』で学ぶ星空のロマン。

宙のまにまに(3) (アフタヌーンKC)

宙のまにまに(3) (アフタヌーンKC)

「……ところで…………あなたは何座萌え?」

 学園天文コメディ第3弾。おもしろかった!

 一応、青年誌に連載されているんですが、中身はどう考えても少女漫画。『ハチクロ』をもっとあっさり風味に味付けした感じ、というか。

 とにかく抜群にセンスが良くて、いやみがない。キュートな女の子がたくさん出て来るので、「萌え系」に分類できなくもないけれど、その手の作品に付きまとういやらしさは微塵も感じ取れません。

 とても新人作品とは思えない隙のなさで、これは人気出るでしょう。とりあえずラブコメ好きはかならず読むこと。

 今回の話は学園祭の続き。小型プラネタリウム(通称「プラネたん」)を作って出展することになった天文部だが、主要メンバーの大八木が文芸部に駆り出されて――というところで前回は終わったわけですが、この巻ではひきつづきプラネたん製作の様子が綴られます。

 天文部の活動なんて、どうしたって演劇部とかサッカー部あたりに比べれば地味なわけで、そこをどうおもしろく見せるかが作家の腕の見せ所。

 この作品の場合、要所要所にギャグをはさみ、そこはかとなく恋愛模様を垣間見せて、すごい速度で読者をひっぱっていく。

 からだの弱い部長が苦心して惑星模型を作り上げるものの、徹夜で意識が朦朧とした江戸川が無意識にボーリングの球に見立て投げてしまうところがひどい(笑)。

 学園祭間近になって追い詰められた生徒たちのところに、校庭で応援団が歌う応援歌(むちゅ〜でが〜んばるきみ〜に〜え〜るを〜♪)が聴こえてきてやる気を取り戻す場面も秀逸。

 いや、ないない、そんな応援団。でも、こんなに楽しそうな学園祭ならぜひ参加してみたいけどね!

 恋愛関係のほうはなかなか発展しないのですが、そろそろ話が動き出しそうではある。この作品の主人公は大八木で、メインヒロインはたぶん美星なんだけれど、全読者の7割くらいは姫ちゃんを応援しているはず。

 今回、気障な男に迫られて困惑しながらも右ストレートをかまし、エルボーを叩きつける彼女に惚れました。頑張ってメインヒロイン食いを果たしてほしいものです。

 あと、高天ネット(県内高校天文ネットワーク)に参加を要請してくる新キャラの近江さんがやけにぼく好み。ていうか、このひと、すごいかわいいんですが。おまけ漫画もすばらしかった。

 続刊が楽しみな作品です。