あなたが金庸を読むべき10の理由(その7)

 てか、なに、あの女性キャラのかわいさ! 超恋する乙女。妹分で相思相愛なのは周りからバレバレだけど本人達は気付いてないとかっ*1! 焼き餅焼きまくりの純情な子とか! 小悪魔っぽい子とか! 萌えは既に中国が何十年前に通り過ぎた道なのですかっ!

 いや、まったく。

 初めて金庸を読んだときいちばん衝撃を受けたのがここですね。金庸作品では、幾人もの魅力的な女性が登場し、男たちと対等にわたり合うのです。

 どうも武侠小説の世界では、武術を修めるにあたって、男女差はあまり関係ないらしい。いったん秘伝の奥義を窮めてしまえば、細腕の女の子が巨漢を吹き飛ばすこともできるわけです。

 血にいろどられた殺伐とした物語のなかで、可憐なヒロインたちの存在はさわやかな印象を与えます。もっとも、かわいい顔してあっさりひとを殺す極悪美少女もたくさん出てくるんですけどね……。

 もちろん、日本の時代小説や伝奇小説にも魅力的な女性人物は登場するけれど、ちょっとね、質量ともに比較にならない気がします。

 現実の中国社会がここまで男女平等だったとはとても思えませんが、武林(武術家たちの行きかう世界)は現実とは隔絶したファンタジーワールド。この世界では、現実の常識は通用しないのです。

 彼女たちはしばしば激しい恋に落ち、切ないラブストーリーをくり広げます。そして、その恋が幸福な成就を見ることはまれなのです。

神雕剣侠〈1〉忘れがたみ (徳間文庫)

神雕剣侠〈1〉忘れがたみ (徳間文庫)

*1:あー、ねえ(ニヤニヤ)。このふたりにかんしては、2巻以降とんでもない展開が待ち受けているので、お楽しみに。いやあ、あれはひでえよ。