だめだけれど好きなソフト。


 よくいわれることだが、客観的な評価は個人的な好き嫌いとはべつである。

 どうしても好きになれない傑作もあれば、なぜか好きでならない凡作もある。minoriの『BITTERSWEET FOOLS』なんて、どういうわけかそこそこ好きだもん。

 しかし、客観評価と主観評価の乖離という意味では、何といってもあの伝説の迷作『Prismaticallization』がきわめつきだろう。

 PS1のギャルゲ夏の時代にどさくさにまぎれて発売されたソフトで、客観的に見ると褒めるところは一箇所もないんだけれど、大好き(笑)。

 いやあ、欠点の多いゲームなんですよ。キャラクタデザインが某『センチメンタルグラフティ』そっくりだということはよくいわれることだけれど、それ以前にシステムがどうしようもない。

 ギャルゲではよくあるループもので、自分で選択肢を選んで話を進めるということができない。

 ある場面で状況を「記録」することを選ぶとそれに従って1日が少しずつ変化していくという変則的なシステムです。

 何をいっているのかわからないと思うけれど、ぼくも何をしていたのかわからなかったので許して下さい。

 このシステムの問題点は、物語を進めるためには、ある一箇所を「記録」した上でその1日をさいごまで進めなければならない点にあります。

 結果としてクリアするまで同じメッセージを何百回と飛ばし読みする羽目になる。これは誇張ではありません。攻略を見ずにクリアしようと思ったら、本当に何百周もする必要があると思う。

 しかも、物語を進める条件にランダム要素が加わっているので、プレイヤーが「正解」を選んでも先へ進めるとは限らない。だれだよ、こんなシステム考えたの!

 それなら物語はおもしろいのかといえば、これがまた、めちゃくちゃ。一見、美少女恋愛ゲームみたいに見えるけれど、じつは恋愛要素はほとんどない(笑)。

 ヒロインが5人もいて、ひとりも主人公を好きにならないギャルゲなんて、これくらいじゃないかな。

 一応、恋愛に発展しそうな予感は感じさせるんだけれど、文字通り予感だけで、おのおののヒロインにはほかに好きな男がいたりする。

 また散々なぞを振りまくんだけれど、結末に至っても少しも解決せず、意味不明のカタストロフィが待ち受けているのみ。いや、そもそもその結末にたどり着くまでがものすごく大変なんだけれど。

 それから主人公の性格が変。意味もなく衒学的な台詞を振りまき、悩む必要のないところで悩む。

 女の子のひとりが未来のことを心配していると、「杞の国の空は落ちてこなかったよ」なんて言い出す奴なんです。杞憂の故事を踏まえているわけだけれど、説明はなし。いや、普通にいえよ。

 こういう台詞まわしを哲学的と評価する向きもあるようですが、こんなもの哲学的とはいわねえっ! ただ青臭く気取っているだけでしょ。

 そういうわけで、いろいろと欠点だらけなんで、ひとには全く薦められませんが、とりあえずぼくは大好きです。

 どこが? 全部。

SIMPLE2000シリーズ Vol.9 THE 恋愛アドベンチャー ~BITTERSWEET FOOLS~

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SuperLite 1500シリーズ Prismaticallization

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