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ジュンク堂で見かけたので、日本SF大賞選評の部分だけ立ち読みする。
今年の大賞受賞作は萩尾望都『バルバラ異界』。そのほか山本弘『アイの物語』、池上永一『シャングリ・ラ』、小川一水『天涯の砦』、そして細田守監督の映画『時をかける少女』が候補作として挙がっていた。
- 作者: 萩尾望都
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べつに『バルバラ異界』受賞に文句はないが、ぼくなら『シャングリ・ラ』か『時をかける少女』を選ぶな、とちょっと思う。
もっとも、『天涯の砦』は未読だし、『シャングリ・ラ』も読みかけで投げ出しているから、偉そうなことはいえない。あくまで個人的な感想である。
しかし、どうせならやはりそのとき人気があり、時代性を感じさせる作品を選んだほうが、SF業界の利益につながるのではないか。
萩尾望都が偉大な作家であり、『バルバラ異界』が新境地をひらく傑作であることに疑問の余地はないが、それでもやはり「いま」のSFを代表する作品とは考えづらい。
選考委員の笠井潔は前々回受賞の押井守監督『イノセンス』と同じく、過去の功績も鑑みた受賞であることを強調している。しかし、そうやって過去の業績とのあわせ技での受賞を認めてしまえば、そのぶん新人作家は不利になる。
また、ベテランにしても、萩尾や押井ほどの業績を築いているほどの作家など、何人もいないわけだ。やっぱりいきのいい若手が中心の受賞のほうが業界のいきおいを生むんじゃないかなあ、と愚行いたしたしだい。