『ロンド・リーフレット』プレイ日記 その1

ロンド・リーフレット

ロンド・リーフレット

 Littlewitchの最新作。

 『SWAN SONG』があまりにも重かったので、次は何か軽いものを、と思って購入した次第。

 時は19世紀、舞台はヴィクトリア調大英帝国の首府ロンドン。雇い主との間で何度も喧嘩沙汰を起こし、そのたびに首になるおちこぼれ執事のマシューは、さいごのチャンスとしてある子爵家の仕事を任される。

 ところが、その家は傾きかけの貧乏貴族で屋敷は埃だらけ。当主は小生意気な少女だし、3人のメイドは仕事をする気がないし、おまけに次々と厄介ごとがふりそそいで来るのだった――と、まあ、典型的などたばたコメディですね。

 今回は『白詰草話』、『Quartett!』で採用されていたFFD(フローティング・フレーム・ディレクター)システム*1は封印され、わりとふつうのノベルゲームに仕上がっています。

 FFDを期待していたひとは残念だろうけれど、どう考えても採算が取れそうもないシステムですからね。仕方ないんじゃないでしょうか。それに、これはこれで十分、おもしろい。

 イギリスの国民的作家P・G・ウッドハウスの名執事ジーヴスものは、最近日本でも翻訳されて人気を博しています。この作品はさしずめそのノベルゲーム版というところでしょうか。

 1話ごとにオープニングとエンディングが挿入され、気分はほとんどテレビアニメ。それもNHKか世界名作劇場

 たぶんこれから恋愛要素なども絡んでくるのでしょうが、それよりも単純にコメディとして楽しい。

 喧嘩腰の執事だの、口の悪い少女子爵だの、どじっ子メイドだの、ひとつひとつの要素はベタだけれど、それだけに安心感がある。

 まあ、『SWAN SONG』みたいな大傑作にはなりそうもありませんが、たまにはこういう作品もいいよね。

 つい最近、「エロゲの主人公は類型的だ」という記事を引用しましたが、この作品の主人公、マシュー君はなかなかキャラが立っています。

 喧嘩っ早くてトラブルメーカー、主人に対しても対等の口を利く一方、どこかひとを惹きつけるものをそなえている、という好人物。

 たぶんこの種のゲームの主人公が凡庸になりがちなのは、『ドラゴンクエスト』以来の「プレイヤー=主人公」という方程式を守ろうという意識があるからでしょう。

 でも、ぼくとしては、主人公になりきって2次元美少女と恋愛したい、などとは全く思わないので、このくらいエンターテインメントしてくれたほうが楽しい。

 本当の話、この種のゲームに「恋愛シミュレーション」を求めているひとって、どれくらいいるんでしょうね。じっさいには言うほどいないのではないかと思うのですが。

 「ハルヒはおれの嫁」とか言っているひとにしても、大半はネタで言っているだけなんじゃないかな。きっと、いないことはないんでしょうけど。

 同じようにゲームをたのしんでいても、そのたのしむ姿勢によって、生まれる感想はがらりと変わってくるものなのかもしれません。

*1:ようするに動くウェブコミック。漫画のコマが画面上で動きまわるところを想像してもらえばあたらずといえども遠からずかと。当然、作業量は膨大なものになるはずで、もう二度と復活しないかも。