SWAN SONG

SWAN SONG

 はじめました。

 『らくえん』があまりにもおもしろかったので、ひさしぶりにエロゲ欲が盛り上がっている。で、以前から薦められていたこの作品をプレイすることにした。うん、おもしろい。

 ある日突然、大地震が襲ってくるところから物語は始まる。街は壊滅、アパートは全壊、住むところを失った主人公は雪のなか避難所をめざす。

 しかし、そこで瀕死の女性と出逢い、「あろえ」という名の白痴の少女を託される。

 ほとんど言葉をしゃべることができないあろえは、目の前でじぶんの姉が死んだことも理解できない。ただ、うわ言のように「コーヒーほしいです」と呟くのだった。

 うわ、冒頭からしてめちゃくちゃ暗いよ。だれですか、こんなひどい話考えたのは。

 しかし、こういうユニークな作品をプレイしたいがためにエロゲをやっているので、そういう意味では願ったり叶ったりではある。ふつうのひとが想像するエロゲのイメージとは180度反対の内容だろうなあ。

 たぶん、下の『青空ヒッチハイカー』ならふつうのひとに薦めても、たのしんで読んでもらえると思う。良い意味で「ふつうの」作品である。

 でも、この作品はどうだろう? ただエロゲだというだけで、変わり者のオタクの慰み物としか見てもらえないかもしれない。ぼくはそこにつくづく不条理を感じる。

 おもしろいんだけどなあ。良い作品なんだけどなあ。たぶん、大多数のひとにとって、そのゲームがおもしろいかどうかより大切なことがあるのだと思う。

 それが悪いとは思わない。ぼくだって、世間からどう見られるか意識しないわけじゃない。もし合コンで趣味がエロゲだといったらさぞかし引かれることだろう。

 でも、ぼくにとってはそれほど特異なことじゃない。漫画とか、アニメとか、こどもの頃から大量に摂取していたからね。そのままの感覚で大人になってしまった気がする。

 ふつうは歳を取るとともに「卒業」するのだろうか。でも、漫画にしろ、アニメにしろ、ゲームにしろ、いまでは大人の鑑賞に耐えるものが増えてきていて、「いい年をしてこども騙しの漫画なんて読んでいるなんて」という批判はあてはまらなくなってきていると思う。

 また、世間的な知名度は高くても、おもしろくないものはおもしろくない。たとえば『踊る大捜査線』の劇場版と『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』(長いね)を比較すれば、明らかに後者のほうが出来が良い、とぼくは思う。

 だったら、ぼくにとって選択の余地はない。いつだって他人の評価より自分の感性のほうが信頼できることでもある。

 ジャンルはどうでもいい。他人がどう評価しているかもどうでもいい。ただおもしろい作品を知りたい。それだけ。

 その思いは十歳の頃からあまり変わっていない。それこそがぼくを駆動するただひとつのエンジンである。