らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~

らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~

 AVを見慣れた目には奇異に映るなんとも古臭い、自主映画みたいな映像。スクリーンに切り取られた風景から、ここ数年で作られた映画だとわかる。完全な駄作。3本立ての3本全部が刺激的なタイトルに似つかわしくない。インディーズビデオに遥かおよばない。ただ。なぜだろう。なぜかわからないけどなんとなく。ぼくはドキドキしてた。安っぽいポルノドラマに釘付けになってた。

 千倉沙絵ルート、クリア。

 えーと、スタッフロールが流れないんだけれど、これで正式なエンディングなんだよね? 一応、ENDマークは表示されたし。

 杏ルートのときも流れなかったから、ひょっとしてルート選択を間違えるとスタッフロールが流れなかったりするのだろうか。なにしろ無名な作品だから情報が少なくて困る。情報求む>クリアしたひと。

 さて、このシナリオのヒロインは主人公の中学生時代の後輩、千倉沙絵。逃げだしたシナリオライターの代わりにシナリオを書かされることになった彼女は、受験勉強との板ばさみでしだいに追いつめられていく。

 よく考えてみれば処女の女子高生に男性向けエロゲのシナリオ書かせるなんて無茶な話ですが、気にしない気にしない。登場人物は全員18歳以上だしな!

 このルートではほかのルートだといつのまにか製作に参加していた沙絵が、どうやってムーナスに入ってきたかわかるので、これからプレイするひとはこのシナリオから始めるといいかも。

 ただ、沙絵は比較的ふつうのエロゲヒロインなので(腐女子だけれど)、キャラクター的にはほかのルートほどのインパクトはなかったかも。

 なぜかこのルートにはほかのルートのようなヒロイン視点のモノローグもないようだし(ぼくが見逃しただけかもしれないけど)。

 ただ、このルートではほかのルートではよくわからなかった作中作『あいかわらずなぼく』の内容がクローズアップされる。これがじつにダメそうで素晴らしい。

 『最終兵器彼女』と『イリヤの空、UFOの夏』と『ちょびっツ』と『アーシアン』を足してたっぷりダメ成分をふりかけたようなダメセカイ系SF。はっきりいって、ものすごく安っぽい。

 そう、『らくえん』の何が素晴らしいって、ムーナスの連中が命を削って作っているこの作品が傑作でもなんでもないということなのである。

 傑作でも名作でもない、毎日発売される新作の山のなかに埋もれて忘れ去られていく運命の、ただのエロゲ。ただのポルノ。そこに製作者たちは精一杯の想いをこめる。たとえ、だれにも届かないとしても。

 絶対におもしろくないだろうけれど、一度このゲームをやってみたい。結局、地球は救われたのだろうか? 滅亡に瀕した人類はどうなったんだ? 人類の最後の希望、ちえりの運命は? いや、全然気にならないけど(笑)。ちょっとやってみたいですね。

 あと、どうでもいいことをひとつ。シナリオライターのこだわりなのか何なのか知らないけれど、このゲーム、どのヒロインのルートでも避妊しないんですよね(汗)。

 そこに避妊具があっても避妊しない。まあ、そこらへんをあまり真面目に描写してしまうと、エロゲ的には盛り上がらないのかな、という気もしますが、避妊くらいしようよ。妊娠したらまずいことになる立場の人間ばかりなんだからさ。

 さて、次こそは最後のシナリオ。ホモ画像を下ろそうとしてウィルスを落としてしまうダメ人間のあのひとだ。ああ、ここまで長かったなあ。