らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~

らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~

「ここには、亜季ちゃんがいない。にー兄ちゃんと、わたししかいない。どんなコトしたって、誰にもバレないよ」
「自分が見てる」
「自分にはウソついてないもん」
「…………神様だって見てる」
「いいよ。神様は見てても。……見せつけてやろ」

 杏ルート、クリア。

 このエンディングはほかのシナリオの結末とは違っていて、エンディングテーマが流れない。スタッフロールもない。

 基本的にバッドエンドが存在しないこのゲームでは、ほかのルートに流れなければここに来るらしい。たしかにこれはある意味、バッドエンドに近い終わり方かもしれない。

 ていうか、ふつうに考えたらダメダメな結末だよなあ。なんにも成長していないじゃん。

 ところが、『らくえん』という作品に限っては、これもひとつの結末として納得できる。なぜなら、これはありきたりの成長物語などではないからだ。

 『らくえん』のテーマは「堕落」である。ふつうの人間の道を外れ、ふつうのオタクの道を外れ、どこまでも堕ちるところまで堕ちていくこと。その意味では、この結末もひとつのありえるべきルートだといえるだろう。

 このシナリオで杏が見せる態度は、もうひとりの妹、亜季とは対照的だ。

 ある意味では愚かしい態度かもしれないし、男にばかり都合が良い典型的なエロゲヒロインの枠を抜け出ていないともいえるのだが――今回も細部の演出が光っていて、飽きさせない。

 ただ、亜季に比べるとやっぱり杏の心理描写はいまひとつかなあ。いや、亜季シナリオが凄すぎるんですが。どうしてこうヒロイン視点のモノローグが秀逸なんだろう。そこだけ『ハチクロ』みたい。

 ああ、ネタバレで語りたい。すべてクリアしたらネタバレ感想を付けよう。次は腐女子の後輩。