英雄伝説VI 空の軌跡 通常版(DVD-ROM版)

英雄伝説VI 空の軌跡 通常版(DVD-ROM版)

 最終章クリア。

 リベール王国を混乱におとしいれたクーデター計画は、遊撃士たちの活躍によって未然に防がれた。しかし計画の首魁の記憶がさだかではないことをはじめ、いくつもの未解決の問題がのこされたまま。

 そして、封印された記憶が戻るとき、少年は少女の前から姿を消す。はじめて会ったときから大好きだったよ、エステル。そんなむなしい言葉だけをあとにのこして。

 かつてかれが所属していた組織「身喰らう蛇」とは? 組織の目的はなんなのか? さまざまな謎を抱えたまま、物語第二章へと続いていく。

 というわけで、非常に美しい幕引きでした。何ひとつ謎は解けていないのだが、非常に充実感のある解決である。ありがちな展開といえばそうだが、王道ならではの魅力がある。いやあ、こんな展開にされたらだれだって続編をプレイしたくなるよな。

 もちろん、この展開も特に独創的なものではない。というか、荻原規子西の善き魔女〉とそっくり。

 ただ、この手の話には必ずしもオリジナリティは必要ないのだ。いくら見え見えのストレートでも、それが豪速球ならなまじの変化球をしのぐ威力があるものだ。

 主人公のエステルもヨシュアをはじめ、敵役のリシャール大佐や大戦の英雄カシアス・ブライトなど、この物語に登場するキャラクターは、「どこかで見たことがあるような人物」という枠を超えない。

 しかし、物語が続いていくにつれて、次第にかれらの個性は無二のものとして浮かび上がってくる。

 偉大な父と優しい母に愛されて育てられ、眩しいほどまっすぐに育ったエステル。英雄カシアスにひきとられ、養子として育てられるも、忌まわしい過去を消しきれず苦悩するヨシュア

 かれらの性格設定そのものはそれほど独創的ではないかもしれないが、かれらが背負った人生が、かれらの人格を唯一無二の存在にしていく。それが、物語が語られるということの意味だろう。

 さいごまでクリアしてみても、事前に抱いていた感想は変わらなかった。そつなくまとまった秀作、というところである。ひとつひとつの要素はよくあるものに過ぎないのだが、難点が少なく、また各要素が高水準でまとめられているのでストレスなさくさくく遊べる。

 ラストダンジョンの長さとラスボスの固さに少しめげたが、順調にレベルアップしていけばそれほど行き詰まることなくクリアできると思う。

 もっとも、一二箇所ほどどうすればいいのかわからなくなる個所はあって、そこは少し不親切に感じた。しかしまあ、それくらいは許容範囲内だろう。

 とにかくRPGをクリアするのなんて何年ぶりか思い出せないくらいなので、良いゲームには違いない。もちろん、このまま「SC」へ進むつもり。

 なぞめいたことばをのこして消えたヨシュアをさがし、エステルはふたたび旅に出る。はたして少女の行く手に待つものは何なのか? 胸踊る冒険はまだ終わらない。いや、まだまだ始まったばかりなのだ。