魔法先生ネギま!(16) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(16) (講談社コミックス)

「待ってタカミチ! じゃあ…じゃあ超(チャオ)さんは正しいの? 超さんはやっぱり世界を救うために……!」
「いや違う そうじゃない そうは言ってない 世界はそう単純にはできていない そう簡単に世界は救えない」

 〈魔法先生ネギま!〉第16巻。

 前巻で天才策士超の策に嵌まり、10日後の未来へ送り込まれてしまったネギたち。かれらがいないうちに世界は超の望むまま、書き換えられてしまった。

 のこされた手段は航時機カシオペアを用いて過去へと戻り、もう一度歴史を変えること。

 ネギたちは世界樹の魔力を使用し、学園祭最終日へと帰還することに成功する。そこでは、未来科学を操る超陣営との最終決戦が待ち受けていた。

 ネギは無関係の周囲を巻き込んででも彼女の計略を止めることを決意するが、その心には未だ迷いがのこっていた。

 また、龍宮や茶々丸は信義から超に協力しているため、ネギの生徒たちは二手に分かれてたたかうことになる。はたして、タカミチですら止められなかった超を破る方法はあるのか?

 そして、長々と続いてきた学園祭は遂にクライマックスを迎えるのだった!

 というわけで、漫画史上最大規模で続いてきた学園祭もようやく最終日に到達した。

 超とネギの学園戦争は、次の第17巻か、さらにその次の第18巻あたりで決着がつくことになるだろう。したがってこの巻は次巻へのつなぎという側面が強いが、それでいて見所は少なくない。

 個人的には千雨とネギの仮契約にドキドキ。人間の反射神経をこえた速度で学園結界をハッキングする茶々丸に電脳戦を挑むべく、千雨はネギと仮契約を結ぶのだが、シチュエーションがエロすぎです。

 次巻では学園結界を巡る千雨と茶々丸の電脳戦がくりひろげられることになるのだろうか。期待が高まる。

 ここらへんの魔法と科学がいりまじった世界設定は、士郎政宗から萩原一至を経て洗練されてきたもので、特に赤松健の独創とはいえない。

 しかし、ここで千雨のアーティファクトが絡んでくることは予想外だった。いったいどのあたりからこの展開をかんがえていたんだろう? こういった構成の妙にはあいかわらず唸らされるものがある。

 もうひとつ、さまざまな試練を経て、ネギの表情が精悍さを増してきていることも見所のひとつ。少年漫画の主人公としては当然ながら、かれも少しずつ成長している。

 ただ、ここで言う成長とは、ひとりでなんでもできるようになることではない。むしろ、自分の目的のために周囲を巻き込み、犠牲にし、その犠牲を背負ってさらに先へと進んでいく度量こそが求められているのだ。

 未だ10歳の少年には余りに重過ぎる荷ではある。しかし、英雄である父を追いかけるためには、それだけの能力が必要となることも事実。この学園祭のあとのネギの成長に期待したい。

 ひとつ気になるのは、タイムパラドックスの問題だろうか。一応、この世界にはもうひと組のネギたちもいるんだよなあ。学園祭が終わったらどうするつもりなんだろ。

 いずれにせよ、物語は最高潮を迎えている。次巻の展開が本当に楽しみだ。

 ところで、表紙のいいんちょ、エロすぎですね。だれだよ、こんな服を着せたの。一応、お嬢様なのにね。