西の善き魔女 4 (BLADE COMICS)

西の善き魔女 4 (BLADE COMICS)

西の善き魔女 5 (BLADE COMICS)

西の善き魔女 5 (BLADE COMICS)

「アデイルはいつも言っているじゃない 「武力に頼るのは本当に一番最後」 「そうならないためにまずは外交の努力を―――」 「騎士達に守られていると見せて 持てる能力を最大に使って実は騎士達を守る―――」 それが「西の善き魔女」の誇りだって!」

 漫画版〈西の善き魔女〉第4巻および第5巻。

 陰謀渦巻くトーラス女学院を出たフィリエルは、3人目の女王候補として頭角をあらわしはじめる。その一方でルーンは宮廷から姿を消し、闇のなかへ堕ちていく。すべてはこの国の秘密にかかわっているらしいのだが――。

 というわけで、物語はここらへんからいよいよ複雑に錯綜し、そしておもしろくなっていく。この作品のおもしろさは、表面はありふれたエピック・ファンタジーのように見えて、その実、ファンタジーのあらゆるお約束を換骨奪胎しているところにある。

 初めに出てきたとき、完全無比の王子様に見えたユーシスは、じつは融通の利かない頑固者。可憐なだけのお姫様に見えたアデイルは、じつは自分の兄と親友の幼馴染みでカップリング萌えする腐女子(笑)。

 姫君のために果敢にたたかう騎士たちは、本当はその姫たちによって守られている。そして騎士たちが立ちむかう竜の正体とは――。

 なにもかも見た目とは少しずれていて、そのずれが積み重なったところに世界そのものの謎がかかわっている。巧みな構成というしかない。

 あと、ここらへんからどんどん腐女子化していくフィリエルが見物。いったいなにがどうしてこんなことになってしまうのやら。お兄さんはきみが心配です。

 漫画版の絵は少し線が弱い気がするが、傑作の少ないコミカライズとしては上出来の部類ではないだろうか。ルーンもフィリエルもベリベリキュート。こういう花やかな漫画は読んでいて楽しいですね。