もうひとつ、11月には名前を書きにくい作家冲方丁の〈マルドゥック・ヴェロシティ〉も刊行される。それまで無名に近かったこの作家が一躍その名を高めた話題作〈マルドゥック・スクランブル〉の待望の続編である(じつは前日譚にあたる話らしい)。

 〈マルドゥック・スクランブル〉は個人的にはあまり趣味に合わなかったんだけれど、傑作であることは否定しようがない。その続編となれば、これは期待も高まろうというもの。期待するに値する作品であることを祈ることにしよう。

 そういえば、今年の初め頃には〈星界の戦旗〉の第5巻が出るという話もあったような。この作家なりの事情もあることだろうから、さっさと書けとはいわないけれど、こう進展が途絶えると、どうしても自分のなかの優先順位は下がっていく。

 やっぱりシリーズものを書く作家には、ある程度の頻度で作品を発表しつづける姿勢が必要だと思う。いくら書かなくてもいつまでも続刊を待ち望んでもらえる田中芳樹みたいな作家はやはり稀有で、ふつうの作家は、書かなければそのぶんだけ忘れられていくものだろう。

 まあ、そんなことは本人がいちばんよくわかっているだろうけれど、〈星界〉の場合は第4巻がとんでもないところで終わっているだけに、二重の意味で、読者を待たせることは罪だといえそう。今年は無理でも、来年はなんとかしてもらいたい。ラフィールにまた会いたい。