Ubel Blatt 0 (ヤングガンガンコミックス)

Ubel Blatt 0 (ヤングガンガンコミックス)

 往古。

 結界をこえて侵略してくる〈闇の異邦〉を封じるため、14人の若者が槍を手に旅立った。そのなかの3人は討死し、4人は裏切り、のこる7人だけが英雄となった。

 邪悪な敵を封じ〈裏切りの四本槍〉をも倒した七人の勇者たちは〈七英雄〉と呼ばれ、国家の柱石にまでなり上がっていく。

 しかし、それから20年、死んだはずの〈裏切りの四本槍〉が辺境で跋扈を始める。予言によるとこの危機に際し、あたらしい英雄が出現するというのだが――。

 というわけで、重厚な背景設定をもつダーク・ヒロイック・ファンタジー。このジャンルは三浦健太郎萩原一至がその抜群の画力で切りひらいてきたものといえるだろうが、この作品の出来もそれらの名作に劣らない。

 いや、ほんと、予想以上におもしろかったよ。細部まで描きこまれた絵、練りこまれた設定と、ファンタジーの醍醐味が存分に味わえる作品である。

 なにより魅力的なのは作中に満ち溢れた性と暴力の激しさ。エロい、エロいよ。いいんですか、スクウェアエニックスの漫画なのにこんなにエロエログログロで。

 また、復讐のために呪われた生を歩む亜人の少年を中核とする、暗く重い物語世界は、翻訳幻想小説、たとえばロジャー・ゼラズニイの「地獄に堕ちた者ディルヴィシュ」あたりを思わせるようだ(どマイナートーク)。

 なにしろまだ「0巻」なのでさすがに作品全体の評価は下せないが、期待の秀作。さっさと第1巻を読むことにしよう。