山本弘ゲームマスターを務めた〈ソード・ワールドRPGリプレイ〉第一弾の復刊本。

 水野良がGMを務めた〈RPGリプレイ ロードス島戦記〉とならんで、日本におけるリプレイの草分け的存在だろう*1

 いやあ、なつかしい。ぼくがこの本を読んだのはたぶん中学生の頃だと思う。ザボ、ユズ、ケイン、ディーボ、ケッチャ、アリシアン、と名前からしソード・ワールドらしくない「スチャラカ冒険隊」の冒険に胸躍らせたものだった。

 シリアスな〈ロードス〉に対して、こちらの内容は徹底的にコミカル。「スチャラカ冒険隊」という異名からわかる通り、お気楽で能天気な6人の冒険者が、西武諸国狭しとあばれまわる!

 一応、迷惑なモンスターをやっつけたり、悪徳都市ドレックノールのダンジョンにもぐったりもするのだが、GM山本弘の悪乗りも手伝って、正統派ファンタジーからほど遠い奇妙な事件をあつかうことが多い。この作品がのちの「ソード・ワールド」にあたえた影響は大きいと思う。

 乙一は「ダ・ヴィンチ」のファンタジー小説特集で、マイ・フェイバリットとしてこの本を挙げていた。ほかのひとは〈ナルニア〉だの〈指輪物語〉の名前を挙げていたのに、さすがである。

 このようなリプレイのなかから傑作を選んで、「TRPGリプレイ三大奇書」を決めることも可能だと思うが、ぼくには無理。「猫は勘定にいれません」あたりで選出してくれないものでしょうか。

*1:そもそも海外にはテーブルトークRPGのリプレイをまとめて本にする、という習慣がないらしいので、世界的にも最初期の作品ということになる。