いやです。男×男のシチュエーションなってまっぴらごめんです。僕は男×女を希望します。平和さんの身柄は秋山さんに融通いたしましょう。

 というひと言に刺激されて、ふと小説の構想を思い立った。

 平和と白翁は売れないミュージシャン。ふたりでプロデビューをめざして地道に活動を続けていたが、ある日、平和のデビューだけが決まってしまう。

 はじめは喜んで身を引くつもりの白翁だったが、デビューの影に隠された真実を知って激昂する。平和はデビューと引き換えに売れっ子プロデューサーの秋山にからだを売っていたのだ。

 白翁はかれの不実を責める。しかし、平和はそんな白翁に向かって言うのだった。

「お前といっしょにいるの、辛いんだよ」「お前は自分のことばっかりで、おれのきもちに気付いていないだろ」「おれが本当にプロになるためにあいつに抱かれたかと思っているのか」「教えてやるよ。おれがあいつにどんなことをされたのか――」。

 そして平和は激しいキスとともに白翁をその場に押し倒す。はじめは激しく抵抗していた白翁だが、いつもは穏やかな平和の腕をふりほどくことができない。

 白翁のからだの線をなぞる平和の指。そしてふたりは――とここまでかんがえたところで正気に返ったので、執筆の目処は立っていません。

 こんなこと書いていいのか、海燕? さすがにこれはやりすぎじゃないか? 〈げんしけん〉の荻上みたいになるつもりか? しかし、かれはとっく逃げだしているので、抗議を受け付ける人間はだれもいないのだった。ああ、無責任。