ライトノベル三大奇書について、id:sindenさんのところからトラックバックが来ている。

 不完全な認識ではありますが、秋山が思うにミステリにおける奇書は空前絶後という文字で代替できます。つまり、それ以前にそれに類するミステリはなく、またそれ以降もそれを越えるミステリは存在しない、ということです。

 うん、まあ、それはその通りなんだけれど、でもライトノベルの世界に夢野久作とか小栗虫太郎みたいな作家がいるわけないからなあ(いても売れないだろうし)。

 この際、「Wizardly」のノベライズ「砂の王」を翻案した「アラビアの夜の種族」はライトノベルだと言い張るのはどうだろう。あれなら「黒死館」や「虚無」に匹敵する。

 それがだめなら、ベニー松山の〈BASTARD!! −黒い虹−〉を挙げよう。しょせんノベライズとばかにするなかれ。呪術的迫力に満ちたダークファンタジーの傑作である(未完だけど。ついでになかなか続きが出ないけど)。

 また、この定義で奇書を選ぶなら、やはり古橋秀之は欠かせないと思う。ずばり、「ブライトライツ・ホーリーランド」で決まり。

 〈ケイオス・ヘキサ〉の黒魔術世界に淫していたこの一時期、古橋秀之は真に才能あふれる作家だった。まさかこのあと108人の妹武将だの邪神妹だのを書きはじめることになろうとは(あれはあれでおもしろいからいいけど)。

 この二作に匹敵する作品となるとむずかしい。乙一の『GOTH』はどうだろう。〈黒い虹〉、「ブライトライツ・ホーリーランド」、「GOTH」の三作でライトノベル三大暗黒奇書ということにしよう。

 リンク先で挙げられている冲方丁の「黒い季節」は未読なのでいずれ読みたい。あと、「黒い水脈」に倣うなら「軽い水脈」がいいと思ったり思わなかったり。

ブライトライツ・ホーリーランド (電撃文庫)

ブライトライツ・ホーリーランド (電撃文庫)

BASTARD!! 黒い虹(1) (スーパーダッシュ文庫)

BASTARD!! 黒い虹(1) (スーパーダッシュ文庫)

GOTH―リストカット事件

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