- 作者: 椎名高志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: コミック
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好調「絶対可憐チルドレン」第6巻。
この巻の目玉は反政府エスパー組織「パンドラ」の首領兵部京介を主人公にしたエピソードだろうか。
兵部はテロリストに爆弾を売りつけ、「誰が何億人死のうが、ぼくらの知ったことか?」とうそぶきながら、テロリストが少女を傷つけているところを見ると、一転してかれらの敵にまわる。
うわ、子供だ。このひと、まだ少年のままの心だよ! 何十年も若いままで生きているんだから、いいかげん大人になれ。
兵部がノーマルとエスパーのあいだに戦争を起こそうとしている理由はまだなぞのままですが、こいつのことだからろくな理由じゃない気がする。あと、もっとお金を大切にしなさい。
それにしても、あいかわらず隙のない作品である。いまどき、超能力者ものなんて流行らないのに、巧みなストーリーテリングで飽きることなく読める。
ギャグとシリアスの兼ね合いや、和みと殺伐のバランス取りの巧さ。決して天秤を片方に傾けることなく、広い視野で物語を紡いでいく腕前はやはり凡手のものではない。
小学生の女の子にからかわれながら、彼女たちを守ろうとする青年の話、という意味では「こどものじかん」あたりとおなじなのに、間口の広さが全然違うものな。
ぼくもさすがに歳をとったので少年漫画の読書数は減っているんだけれど、この漫画はさいごまで読みたいと思う。
あえて難を挙げるなら、ちょっとじらしがきつくて、なかなか物語が進まないことか。でも、おもしろいので打ち切られないように頑張ってもらいたいものです。