ライトノベル三大奇書の話。
先日、チャットでちょっと話が出たんだけれど、ただ珍奇な作品という意味ではなく、記念すべき古典という意味で奇書を選ぶならどういうことになるだろうか。
〈ロードス島戦記〉と〈スレイヤーズ〉の二作は外せないところだと思う。いずれも商業的に大成功した作品であり、くりかえし映像化されて高い知名度を得た作品でもある。
そして、それ以上にライトノベルの歴史にとってエポック・メイキングな作品だといえる。以上のような視点から選ぶなら、ぼくはこれを奇書と呼ぶことにためらいがない。
問題はこれとならべる第三の作品である。田中芳樹の〈銀河英雄伝説〉はどうだろう。売り上げでも知名度でも革新性でも、上記二作品に劣らない名作だ。
問題は、これをライトノベルと呼べるかどうかということだろう。
たびたび形を変えて出版されているこの作品で、ライトノベルの特色であるアニメ/漫画風の挿絵が使用されているのは、徳間デュアル文庫版だけである。シリーズ全体をライトノベルということにはちょっと無理があるかもしれない。
だが、ほかにこれらに匹敵する作品があるかというと思い浮かばないことも事実。深沢美潮の〈フォーチュン・クエスト〉ですら少し厳しい。
どうしても一作を挙げるなら、上遠野浩平の〈ブギーポップ〉シリーズあたりになるか。売り上げ的には先行二作品に一歩譲るが、現在のライトノベル業界に大きな影響をあたえた作品である。
というわけで、
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デモン・スレイヤーズ!―スレイヤーズ〈15〉 (富士見ファンタジア文庫)
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この三作でどうでしょう(初期の巻の書影がないのであたらしい巻で代用しています)。