- 作者: 畑健二郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: コミック
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「ハヤテのごとく!」第8巻。
前回でご主人様であるナギの裸を見てしまったハヤテは、3日間だけ三千院家の邸宅を出ることになる(ハヤテがいるとナギが恥ずかしがるから)。
しかし、その前途には当然のごとく不幸が押し寄せてくるのであった。つくづく不幸をひきつけてやまない男である。いったい前世でどんなカルマを背負ったんだか。
まあ、でも、そのあとヒナギクの家に転がりこんだりしているので収支決算はプラスかも。
どうも世間ではこの巻の見所はそのヒナギクとのラブコメ展開ということになっているようだけれど、おまいら、全然わかっていないよ。
はっきりいってこの巻の見所はマリアさんでしょう。なんなんですか、このかわいさは。ハヤテの様子をさぐるため、白皇学園に制服コスでのりこむ様子が、それはもうベリベリキュート。
ふだんはメイドなんてしているけれど、まだ年齢的には女子高生なんだよなあ。めがねなんて変装しているつもりなのがまた初々しいですよ(ちょっと「ラムネ&40」のココアみたい。古い話だけれど)。そのめがねはいったいどこから出したんだよ。
ヒナもいいけれど、ぼくはこのひとがいちばん好きだなあ。まだ十代なのにどうも生活感をただよわせているのはたしかにアレなんですが、なにかというとお姉さんぶろうとするあたりがかわいいです。
それにしても飛び級のくりかえしで白皇学園を卒業した天才少女という設定はちっとも活かされていませんね。
せっかくの天才的頭脳をナギの世話にしか使っていないのは才能の浪費以外のなにものでもないと思うんだけれど、なにか隠れた目的とかあるんだろうか。まあ、本人もたのしそうだからいいけれど。
というわけで、今回もとてもおもしろかったです。畑健二郎の絵はご覧のとおり、お世辞にもうまいとはいえないんだけれど、それにもかかわらず一本の漫画としてみればじゅうぶんにおもしろい。それが漫画のふしぎさですね。
もっと萌え萌えな絵をかけるひとはいっぱいいるのに、かならずしもそのひとの漫画がおもしろいわけではない。
ぼくは、この「ハヤテのごとく!」という作品の魅力は、ある意味で抑制が効いていることにあると思う。ラブコメ漫画なんだから、いくらでもハヤテをウハウハにしていくことはできるはずなのに、そうしない。どことなく抑えが効いている。
たしかに美少女がたくさん出てくるオタクっぽい萌えラブコメではある。でも、どこかに「物語」の本流とつながっているところがあって、それがこの作品を根底のところで支えている。
いくら男性向けラブコメ漫画だからといって、ただ快楽要素を増やしていけばおもしろくなるというものではないということ。時には、むしろストイックに快楽性を抑えることが人気につながることもある。
もういいかげんあかほりさとるみたいな漫画が受ける時代じゃないぜ。じっさいにあかほりさんの漫画、打ち切られたみたいですしね。