椿ナイトクラブ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

椿ナイトクラブ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

 「椿ナイトクラブ」。

 現在、「週刊少年チャンピオン」に連載中の作品である。タイトルにあるナイトクラブとは「騎士団」を意味する。まあ、和製英語というか作中用語のたぐいですね。

 このタイトルからすると格闘漫画だろうと推測されるわけだが、じつは格闘要素をふくむギャグ漫画である。今後、格闘漫画の方向性にすすんでいく可能性がゼロとはいいきれないが、いまのところギャグ要素のほうが濃いだろう。

 主人公の椿五十六はこんな名前だが女の子。赤城中学ナイトクラブの「鉄拳の五十六」と怖れられている彼女が慕う「姫」は、幼馴染みの少年茜である。

 彼女は茜の意思を無視してかれに「姫」の役を押し付け、さまざまな災難から守ろうとする。つまり、この作品では本来、能動的に活躍するべき少年がヒロインの役割を割り振られているわけだ。

 この種の性役割反転ものは10年前なら少年漫画の世界ではめずらしかっただろうが(「らんま1/2」あたりが草分けだろう)、最近ではしばしば見られるものになっている。

 たとえば「ハヤテのごとく!」の主人公は、自分の意志を無視してメイド服やらセーラー服を着せられたりする。しかし、茜がハヤテと違うのは、かれが少女のような美少年ではないということだ。

 少年らしく髪を短く刈った普通の中学生がどこまでも「女」としてあつかわれる光景には、たんなるショタ萌えという次元にとどまらない倒錯の香りがただよっている。(下に続く)