その2 妊娠中絶と法律


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 さて、話を続けるとしましょうか。妊娠中絶の是非について、id:Leiermannさんはこう書いています。

 そして、中絶が紛れもなく子殺しであり、最悪の児童虐待であることは知っておくべきだ。無論、出産が母子いずれかに生命の危険を伴うといった場合、あるいは性犯罪などによって妊娠させられた場合、出産しても子供を育てられる可能性がない場合などはある程度中絶も仕方がないかもしれないし、これを子殺しと呼ぶのは酷だろう。実際現行法では、これらの要件のみに限って中絶を認めているのである。

 だが、現実には、年間出生数が百万前後で推移しているのに、中絶は統計に表れただけで数十万件も行われているのである。これはもはや大虐殺と言ってもよい。母体保護法の過剰な拡大解釈は、憲法だの教育基本法だのよりもはるかに由々しき問題ではないのだろうか!

 にもかかわらず、多くの「フェミニスト」達は「中絶は女性の権利」だなどと平然と主張する。正直、人格を疑ってしまう。男の「自分の子供を殺されない権利」が無視されているという問題だけではない。子供の権利はどこに行ったのだ、子供の権利は。

 ぼくはこの主張に対していくつか異論があるのですが、それは追々書いていくとして、法的な部分を片付けてしまいましょう。

 「実際現行法では、これらの要件のみに限って中絶を認めているのである」とはどういうことでしょうか。知らないひとも多いでしょうが、現在、日本の法律には「堕胎の罪」と呼ばれる罪状が存在します。

 刑法第二一二条 妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の懲役に処する。
同意堕胎及び同致死傷

 これですね。この条文に従って、かってに堕胎したら処分される可能性があるわけです。それにもかかわらず現実に堕胎が行われるのは、同時に「母体保護法」と呼ばれる法律が存在するからです。

 母体保護法第十四条① 都道府県の区域を単位として設けられた社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。

 一 妊娠の継続又は分娩が身体又は経済的理由により母性の健康を著しく害するおそれのあるもの

 二 暴行若しくは脅迫によってまたは抵抗若しくは拒絶することができないあいだに姦淫されて妊娠したもの

 現実には堕胎の99%が「一」の「身体又は経済的理由」を根拠に行われているといわれます*1。でもまあ、法律には詳しくないのでどこか間違えているかもしれません。突っ込みがあったらコメント欄によろしく。

*1:99・99%までが「身体又は経済的理由」を採用しているという文章をなにかの本で読んだと思うのだが、いまさがしてみたところ、ソースが見当たらない(汗)。たしか「母体保護法とわたしたち」に掲載されていたと思うんだが。ごめんなさい。――ソースを見つけた。「母性保護法とわたしたち」ではなく「生命学に何ができるか」だった。いささか古い1994年のデータだが、人工中絶件数364350件のうち363966件までが「身体又は経済的理由」を採用しているという。