メカビ Vol.01

メカビ Vol.01

 ようやく見つけた。

 まだぱらぱらめくってみた程度だが、各界の著名人に対するインタビュー記事と、評論記事が中心の模様。「メカビ」というタイトルなのに、メカにかんする記事はほとんどない。いいのか?

 本田透さんはあいかわらずの名調子でオタクと萌えを語り倒しているようだ。なにやら奇妙な図などが登場しているようでもあるが、眺めているだけでくらくらしてきたので適当に飛ばした。あとでね。

 ほかにはいずみのさんの記事がおもしろかった。ついこのあいだぼくが取り上げたばかりの「他者性」というキーワードが登場することが興味深い。

 ふつう、いわゆる「萌えキャラ」がそなえている「他者性」とは、ちょっとユーザーをおどろかせる程度のぬるいものでしかない。ツンデレは赦されても、ツンツンは赦されない。

 しかし、ときには才能の命じるまま、あるいは冒険心のあまり、やりすぎる作家が出てくる。そういった人物が生み出したキャラクターは、ユーザーがあっさり受けいれられる限度を超えた「他者性」をそなえ、賛否両論を巻き起こす。

 ぼくがおもしろいと思うのはそういった「やりすぎた」キャラクターなのではないか――というようなことを考えた。

 もうひとつおもしろかったのが、岡田有花さんの「IT戦士・岡田有花本田透堀田純司に挑む!」と題する記事。この雑誌のほとんどの記事が男性記者によるものなので、この記事は異彩を放っている。

 その内容は本田さんの恋愛論に対する反論で、各所に彼女が本田さんに告げられたという言葉がはさみこまれている。

 フェアに考えて、本文中の本田透像はあくまで彼女の自己申告にもとづくものだから、多少割り引いて考える必要があるだろう。発言の内容は同じだとしても、ニュアンスによってまったく意味が違うものになることもありえる。

 しかし、それにしても本田さんの姿勢には多少疑問を感じる。なにより、女性である岡田さんが「顔と金だけで選んでいるわけではない」というのに対し、男性の本田さんが「あなたは自覚していないだけで、顔で選んでいるのだ」と言い切っていることには違和感を憶えた。なぜ男性である本田さんが女性心理について女性に説教できるのか?

 この状況はたとえばこんな構図に似ている。「萌え」について詳しくないだれかが、どこかの「萌え」が好きなひとに「2次元キャラなんて男に都合のいいだけのくだらないものだ」といったとする。

 いわれたほうは「そんなことはない」と反論するだろう。それに対し、この人物は「いや、あなたは自覚していないが、自分に都合がいいからそのキャラを選んでいるだけなのだ」と応じる。

 このとき、対応している側は、なにも知らないくせになにをいっていやがる、と思うのではないか。本田さんが行っているのはそういう議論である。

 男性の身で女性を論じている以上、女性の意見には謙虚に耳を傾けるべきでだとぼくは考える。

 そんなこんなで、なかなかおもしろい雑誌である。