今週号の「モーニング」に掲載されている韓国の漫画家boichiの短篇「HOTEL」がおもしろかった。

 いまから数十年後の近未来からはるかな遠未来までの地球を舞台にしたバリバリのハードSF。人類以外すべての生命の遺伝子を守りつづける「ホテル」とその「マネージャー」というアイディアがまず素晴らしいし、冒頭数ページであっさり人類がほろび去ってしまうのもいい。

 わずか42ページの作品だが、スティーヴン・バクスターばりに壮大なスケールで悠久の年月を感じさせてくれる。

 なにより人類の愚行により地獄と化した地球でけなげに遺伝子を守りつづける人工知能「ルイ」がベリベリキュート。人工知能萌えのトンボさんにはお勧めできるかも。

 ただ、ここらへん、あからさまに人工知能が擬人化されているわけで、それを愚にもつかないセンチメンタリズムと見る向きもあるかもしれない。

 たしかにこの擬人化により超人間的な時間感覚が卑小化されている傾向がないこともないが、エンターテインメントとしてはこれで正しいと思う。

 作者のサイトを見ると、ほかにコメディやエロ漫画もかいているらしいのだが、どうもあまりおもしろそうではないのでSFに集中してほしい気がする。

 いずれにしろ、これからも日本語でこの作家の作品を読めるようなら嬉しい。おすすめである。