佐々木淳子ダークグリーン」を読みはじめる。

 「R−ドリーム」とよばれる夢の世界を舞台にしたSF少女漫画全十巻。山本弘さんが激賞していたので気になっていたんだけれど、なにしろ二十年前の漫画、発見するまで手間取ってしまった。

 いやあ、この世でなにがしあわせって、すでに完結した漫画を一気読みすることほど幸福なことはないですね。

 で、これ、おもしろいです。なにがいいって、「R−ドリーム」の不条理な感覚が素晴らしい。ふつうファンタジー世界を舞台にした作品でも、作品内独自の論理というものがあるわけですが、この「R−ドリーム」はなにしろ夢だから理屈が通じない。

 第一巻で主人公たちが竜に乗り泉を追いかける場面があります。しかし、その泉は近寄るほど逃げていくためちっとも近寄れない。

 そこで「逃がすかあ」と叫んで泉を射ると、矢が泉に突き刺さり、泉が逃げられなくなる! そして泉に近づいてみると、その真ん中には人間の身長の何倍もある巨大な矢が刺さっている……。くらくらするようなイメージ。

 しかも物語がすすんでいくにつれただでさえ支離滅裂なこの世界は、さらにめちゃくちゃになっていく。そこを旅するなぞの美少年リュオンと現実世界からやってきた青年ホクト。

 「R−ドリーム」の正体とはなんなのか、この世界に取り込まれた人々の運命は? もったいないからゆっくり読もう。ゆっくり。