このあいだ「魔法先生ネギま!」を読みかえしてから、すっかりこの漫画に嵌まってしまい、各地の「ネギま!」サイトをさまよっています。

 とりあえず赤松健論を一通り読んで、「なるほど」とうなずき、それからは「ハルモニア」でネギちう萌えに開眼したり、いろいろな感想ブログを巡ってみたり。

 こういう人気漫画はいっぱいファンサイトがあって楽しいなあ。「ネギま!」読者の観察眼の細かさには感心しきりです。

 しかし、これほどじっさいに読んでいるひとと読んでいないひとの印象がずれる漫画も少ないのではないでしょうか。読んでいないひとのなかには、「どうせ女の子キャラをたくさん出しただけの適当な萌え漫画なんだろ」と思っているひとがまだまだ多い気がする。

 その理由は、ひとつには絵柄にあるでしょう。赤松さんの絵柄は、手塚的なまるっこい絵で、一部の「萌え絵」ほど先鋭的な印象はありませんが、やっぱりそう広く受けいれられるものでもないという気がします。

 一般的な「大衆娯楽」をめざすなら、いわゆる「萌え」的な部分はむしろ邪魔になるのではないでしょうか。赤松健の最大の武器である美少女キャラクターは、一方で足かせになってもいるように思えます。

 「ネギま!」は先日の第十三巻で五百万部を突破したそうです。この手の公式発表がどれだけ信用できるかはよくわかりませんが、まあ、まったくの大嘘というわけでもないでしょう。

 これに対して、このあいだ発売された「新世紀エヴァンゲリオン」第十巻の帯には、千五百万部突破と書かれていました。たぶん第一巻は第十巻よりだいぶ売れていると思うけれど、まあ、単純計算で一冊百五十万部。

 もちろん大ヒットしたアニメ版の恩恵を受けているにしろ、なんと「ネギま!」の四倍近い数字です。ほとんど不定期連載なのにね(貞本さんが描かないばかりに第一話を再掲したりしている「少年エース」の苦闘は涙をさそう)。

 この数字からは、貞本さんの絵が非常にポピュラリティのある絵柄であるという推論が成り立つと思います。つまりかれの絵柄はコアなマニア層にも受けるしパンピー層にも受ける、ある種理想的なものなんじゃないかと。ようするに「エヴァ」なら学校で読んでいてもそんなに恥ずかしくないということですけど(笑)。

 「ネギま!」は物語的には非常に洗練されていておもしろい作品ですが、一方では「女の子の裸がいっぱい出てくる漫画」というバイアスを退けられないところがあると思います。

 もちろん、いっぱい美少女が出てきて、裸になったりパンチラしたりするからこそこの人気であるというのも事実ではある。しかし、「ネギま!」がある種究極的な作品だけに、それで達成できる人気はここらへんが限界なんじゃないかということも考えるわけです。

 赤松さんが「ネギま!」を終えたあと、どんな作品で勝負してくるか、いまから興味津々です。