魔法先生ネギま!(11) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(11) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(12) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(12) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま! (13) (少年マガジンKC)

魔法先生ネギま! (13) (少年マガジンKC)

 最新刊まで追いつきました。

 この三巻は武道大会がつづいているわけですが、その影では最新魔法技術VS超科学の情報操作戦が行われていたり、各キャラクターの心理の掘り下げが試みられていたりして、飽きさせません。

 それにしてもこの小ゴマの多さ、描き込みの激しさはどうよ? 巻末でCG技術の解説がありますが、いくらコンピュータを使っているといっても、一週間でこんなに描けるものなのでしょうか。第一線で活躍している漫画家ってすごいよなあ。

 ぼく、「ラブひな」はあまり好きじゃないので、この漫画の連載が始まるときは全然期待していなかったんですけれど、いまとなっては自分が間違えていたことを認めざるをえません。

 中身を読まなくても、紙面をざっと見ただけでもこの漫画はすごい。ふつうじゃない。なんだかもうすっかり脱帽です。

 さて。ここらへんの巻では、エヴァさまが印象的でした。見た目十歳児でもじつは大人の女性という卑怯なまでの存在感を示すキャラクターですが、武道大会篇ではこのかお嬢様とらぶらぶ状態で甘ったれている刹那を教え諭し、剣か幸福かの二者択一を迫ります。

 ここでおもしろいのが、彼女の「ネギは強くなる」という台詞。「幸せと強さは両立しない」とエヴァが考えていて、なおかつ「ネギは強くなる」と思っているということは、つまり「ネギは幸せになれない」ということですよね。

 これは、「……あのバカ放っといたら最後まで一人でいっちゃうわよ」という明日菜の心配とシンクロしています。

 どんなにたのしくさわがしい日常を過ごしているように見えても、実はネギの心には六年前の冬の景色と、父親を追いかけることしかないということ。次元は違いますが、「Fate/stay night」の衛宮士郎とほぼ同じですね。

 だからこそ高いモチベーションをもてるし、どんなに辛い修行にも耐えられる。しかし、いいかえればそれは人間的なあたりまえの幸福からはほど遠い精神でもある。エヴァと明日菜はそんなネギを正反対の方向から見ているということもできます。

 こういう登場人物の心理はじつにロジカルにできあがっていて、感心せざるをえません。夕映の恋心もそうだけれど、物語が始まった段階から緻密に組みあがっているらしく、隙がない。

 そしてそんなネギに向かい、かれが追いかける父ナギ(の幻影)は、自分を追いかけることを否定し、「お前はお前自身になりな」と語りかけます。いやいや、おとなの台詞だよなあ。かっこいいぜ、父ちゃん。いったいどんな秘密があるのやら。

 ここまで読んでくると、じつはこの明朗快活萌え燃え漫画が、根っこのところでは容赦なく厳しいリアリズムに貫かれていることがわかってきて驚かされます。かめばかむほど味が出るするめ漫画ですね。

 さあ、これからの展開がたのしみになってきた。しかしどう考えてもまだまださきは長いのですが、いったいいつまでつづくのでしょうか。