魔法先生ネギま!(4) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(4) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(6) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(6) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(8) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(8) (講談社コミックス)

 第十巻まで読み返しました。きちんと内容をあたまに容れて真面目に読んでみると、めちゃくちゃおもしろいですね、この漫画。

 次第に登場人物の性格がわかってくるので、後半に行くほどおもしろくなってくる。最初は背景でわきゃわきゃ動いているだけだった人物がひとつの人格として浮かび上がってくる、この喜び。これこそ大長編の醍醐味です。

 いままでこの漫画の評価は、序盤が★★★、中盤以降が★★★☆というところだったんだけれど、★★★★に上方修正しました。

 武術から魔法から、ありとあらゆる薀蓄とキャラクターが詰め込まれているので、もはやこの路線でこの漫画を超えることは不可能なのではという気がします。

 まあ、キャラクター描写が寸止めなので、いまひとつ物足りないものがあるのも事実なんだけれど、そこらへんのバランス感覚が少年漫画の激戦で生きのこるためには必要なんだろうなあ。一部のディープな読者にばかり受けたってしかたないものね。

 そんななかで今回、おもしろかったのがゆえっち。親友ののどかもストレートにかわいいのですが、やっぱり僕としては複雑な心理的葛藤を抱えた夕映のほうにおもしろみを感じる。

 第一巻から読みすすめていくと、彼女が次第にエモーショナルになっていくのがわかります。最初の頃はわりとクールなルリルリ系毒舌キャラだったんですが、どんどん感情表現が豊かになっていじられキャラに。物語の進行とともに成長していったキャラクターといえるでしょう。

 たぶん、彼女の場合、あたまが良すぎて、ふつうの学校生活には退屈しちゃうんでしょうね。ネギがやってきて刺激ゆたかな生活が始まって、はじめて感情を表に出すようになった、と。

 夕映関係の伏線は最近の連載で回収されて感動的な盛り上がりを見せるのですが、初期から一貫したキャラクター描写がなされていることには驚かされます。気が長いというか、労を惜しまないというか、週刊連載がこれだけ長いスパンで構想されているということは、凄いことだよね。

 ただ、この漫画の場合、いくらキャラクターが多くても、ほとんどの人間関係がネギを中心にしていることは多少物足りないかも。ぼくとしてはもっとややこしく関係性が入り組んだ群像劇を読んでみたいんだけれど――それをこの漫画に求めるのは間違えているのでしょうか。

 ネギと無関係なところでのカップリングがもっとあってもいいと思うのですが、そういうものは作劇の方法論が赦さないんでしょうね。

 まあ、ここらへんは「ネギま!」マニアのひとによって散々語られ尽くしていることだと思うので、たいして読み込んでいないぼくとしては深くつっこむのはよしておきましょう。

 十冊もつづけざまに読み返して思うことは、この漫画は本当に真剣に作られた作品だということです。作画にしても設定にしても、手抜きというものが感じられない。表面だけをなぞった映像化がうまくいかないのも、当然のことといえるかもしれません。