素人にはお勧めできないノベルエロゲー

「ないない尽くし」の片鱗を味わいたかったら『雫』が短いし秀逸だからやってみても損はしないと思いますが、その先のONEKanonAIRの類は科学も論理もおっつかない人間関係オンリーのシナリオなんで絶対お勧めできない。つうかあんなもんが語られない世界こそが良い世界です。ぜったい。

 いや、まったく。あんなとんがった作品が何万本も売れたんだからニッポンは恐ろしい国です。ニッポン、恐ろしい子

 ここで引用されているid:kishiwadungeonさんの「面白ストーリーを観たい/読みたいだけなら映画だとか小説の方が圧倒的にコストパフォーマンスが良いじゃない」という言葉は実にその通りで、反論の余地がない。

 高いですからね、エロゲ。定価で買うと一本一万円とかの世界で、しかも中身は玉石混交。ていうかほとんど石で玉は稀。これに対して小説はハードカバーでもせいぜい二、三千円がいいところ、文庫なら五、六百円。比べ物になりません。

 コストパフォーマンスを考えるなら絶対に小説を読んだり、映画を観たり、家庭用ゲームをプレイしたほうがいい。でもやるんだよ。ということで。

 まあ、でも、娯楽作品に限っていうなら、効率だけを考えるひとはまずいないのも事実で、たまに奇跡的におもしろい作品に出逢うと、それまでの地雷体験をすべて赦せてしまうんですよね。

 小説に話を限っても、効率を考えるなら新刊を買うことは既に冒険的な行為であるわけです。新刊はかならず玉石混交だから。どこかでオールタイム・ベストのリストを入手して、上から順に読んでいくのがいちばん良い。

 名作リストを消化しきって、「ああ、困った。もう読むものがない」となってはじめて新刊へ向かう、それがいちばんはずれをひく確率が低いでしょうね。

 でもそれじゃつまらない。ドキドキが不足しちゃう。というわけでみんなでたばかりの本を読んではため息をつくわけです。

 綾辻行人の家には、「おもしろかったホラー映画のビデオ」と「おもしろくなかったホラー映画のビデオ」とがならんでいて、後者は前者に数倍する――ということを誰かがネタにしていましたが、どこの世界でも、マニアというのはそういうもの。あとにつづく者のため地雷原を走破する勇者なのです。

 まあ、エロゲやるなら、ぜひいっぺん「ONE −輝く季節へ−」あたりはプレイしてもらいたいものですね。あの本田「電波男」透も絶賛する歴史的傑作。

 クリアしても「で、結局、「えいえんのせかい」ってなんなんだよ!」というなぞはなぞのままのこされる不条理エロゲの最高峰です。

 ここらへんの過激さをいちど味わってしまうと、最終的に論理に回収するSFなんて古くさく感じてしまう(マジで)。まあ、この路線は既に終点にたどり着いているので、未来はないと思いますが。