なんとなく北村薫の「夜の蝉」を再読していたら、あっさりと読み終えてしまいました。

 実はぼく、シリーズ第一弾の「空飛ぶ馬」はそれほど好きではないんだけれど、この「夜の蝉」とつづく「秋の花」は絶品ですね。

 山口雅也がいうように、その語りの巧みさは至芸の域に達しているとおもう。なにを食べればこんな日本語が書けるようになるのか、いちどきいてみたいものです。

 ついでに「秋の花」も読もうかとも思ったんだけれど、どこの本棚にねむっているのかわからなかったので、石田衣良の掌編集「てのひらの迷路」を読みはじめました。

 読みやすいうえに短い話ばかりだから、そうめんをたべるみたいにすらすら読める。石田衣良の文章の肌触りは、ぼくの感覚にとてもよく馴染むのです。

 二十篇を越す作品がならんでいて、どこから読むのも自由なのもいい。くじをひくようにして勝手な順番で読んでいます。愉しい。