C-blossom (2) KCデラックス

C-blossom (2) KCデラックス

 福井晴敏のベストセラー「亡国のイージス」のプレストーリー、緊迫の第2巻。

 福井といえばいまどきめずらしくハードな作風で知られる作家、その作品を少女漫画の絵柄に載せてみると――これが意外によく似あう。

 その理由としては、まず主人公の如月行が少女漫画向きのキャラクターであることがあげられるでしょう。繊細な美貌と強靭な肉体、天才的な絵画の才能を併せ持ち、しかし暗い過去から光のあたる場所へ出て行けずにいる行は、まさにヒーローそのもの。

 この作品ではかれと女子高生が絡んでアクションに次ぐアクションを演じます。福井のストーリーテリングはさすがに巧みで、流血のドラマを華麗にえがきだしています。

 裏切りが連続し、味方すら信じきれない騙しあいのゲーム。最大の難点は、壮大に見えた物語が、あっけなくこの巻で完結してしまったことでしょうか。

 あくまで「亡国のイージス」の番外編である関係上、過剰に広がっていくストーリーはまずかったのかもしれません。

 しかし、せっかくお話が盛り上がったところなのに、ここで切り上げてしまうのはもったいない気がしてなりません。

 行は結局、少女に心をひらいてはいなかったようにも見えます。かれの凍りついた心が溶けるのはあくまでも「亡国のイージス」本編ということなのでしょう。

 番外編の番外編でもいいから、続編を期待したいところなんだけれど――むりかなあ。ざんねんむねん。